海外トピックス

vol.76 風水(ファングシュエ)

水は人々の気持ちにうるおいを与えるので風水ではよく使われる(イリノイ州サンシティ)
水は人々の気持ちにうるおいを与えるので風水ではよく使われる(イリノイ州サンシティ)
風水では行き止まりや鋭くカーブした角の家よりは水の流れのようにスムースな道に沿った家がよいようだ(同上)
風水では行き止まりや鋭くカーブした角の家よりは水の流れのようにスムースな道に沿った家がよいようだ(同上)
「気」の流れをかえるために、鏡、風鈴、モビールなどを効果的に使う(イリノイ州ノースブルック市)
「気」の流れをかえるために、鏡、風鈴、モビールなどを効果的に使う(イリノイ州ノースブルック市)
正面入り口は「気」の入り口でもあり、ドアの形や大きさ、どの方角に面しているかなど、重要なポイントとなる(イリノイ州シカゴ市)
正面入り口は「気」の入り口でもあり、ドアの形や大きさ、どの方角に面しているかなど、重要なポイントとなる(イリノイ州シカゴ市)
室内の凹凸は「気」の流れをさまたげたり変えたりするので注意が必要。友人のキム宅(イリノイ州シカゴ市)
室内の凹凸は「気」の流れをさまたげたり変えたりするので注意が必要。友人のキム宅(イリノイ州シカゴ市)

アメリカでも高まってきた「風水」への関心

アメリカでは不動産ビジネスだけでなく、一般的にも“方位”に留意する人は非常に少ない。しかし環境保全、菜食、ヨガなどに目を向ける人が増え、「風水」に興味を持つ人々も近来多くなってきた。実際、建築やインテリアデザインに風水が取り入れられるようになって沢山の本が出版されたり風水コンサルタントも出現。 ちなみに「風水」と書いて、英語では中国読みにファングシュエと発音する。風水は4000年~5000年前に中国で興り、アジアを中心に広まったと言われるが、ボーイジョージやダイアナ王妃が風水を好んだこともあって、アメリカへはイギリス経由で多く紹介されている。

「気」の流れを上手く取り入れ、悪い要素に打ち勝つ

風水とは「気」、エネルギー。気は体や家の中、周辺を流れる。家や建物、立地、周囲の環境に風水を取り入れることによって、われわれに対立する悪い要素に打ち勝ち、幸福、健康、富、愛、成功などをもたらすアートフォーム。陰と陽、5つの要素(土、火、木、水、金)と8つの方角、12支、生まれた時刻や年などが気の流れとかかわりあってゆく。 住まいに関してわかりやすい例をあげると、家の入り口は「気」の入り口でもあるから、注意が肝心で、枯れかけた木を玄関に植えてはいけないとか、同じ大きさのドアが反対側にあると、「気」が部屋にとどまらず逃げてしまうので、クリスタルボールや鏡を下げてエネルギーを逃さず部屋にとどめるような工夫をする。

やる気がおきない時は北東の方角に注意

何か問題がある場合、表や家の見取り図、コンパスなどを使って気の流れを検討し、バランスをとるように対処するわけだ。 例えば、やる気がおきないという場合。家の間取りの北東の方角に留意してみる。北東の方角のシンボルである白い色や山などによって「気」を取り入れる。雪をいただいた山の絵を飾るとか、四角くて白い石の容器にいれた白い花を飾る。あるいは北東の方角のサポートシンボルである「火」の要素として、実際の暖炉を取り入れるのは最も効果的だが、とげとげしたものや紫色のものでもよいのでそのような植物や紫色のろうそくを星(とげとげしているので)のついた蝋燭立てに飾るなどは効果的。 また、いつも孤独感があるとすれば寝室が北の方位で、枕がまっすぐに北をさしている場合に多く見られるという。寝室は南東が理想的なので、ベッドの位置を変え、南東を頭にして寝てしばらく様子をみるとよい。しかしながら、北枕が絶対に悪い、というわけではなく、ブラウン氏の著書では、北の方角は気持ちを静めるので、年をとるほどに北枕にするのはよい、とむしろ奨励している。

東洋の神秘? それとも体験からくる常識?

ビジネスにも風水は多く使われ、ビルの位置や建物全体の形、特に正面入り口の位置やドアの形は重要な商売繁盛の鍵となるようである。風水を基本にオフィスのレイアウトをする場合もあるそうだ。応接室に客が入って来て暖かく迎えられるようなソファがセットしてあるのはよい例。悪い例として、社員のデスクが皆窓に向いている(気が散る)とか、つまった感じやT字、L字型の配置などがあり、常識として充分に納得できる。 また、コンピューターは強い「陽」の気があるので、バランスをとるために「陰」である青い色の家具や植物の鉢植えを置くなど、考えてみると、風水は“東洋の神秘”でも“マジック”でもなく、長い体験に基づく実際的な「常識」と言っていいかと思う。

自分の運を支配していくところがゲーム的

アメリカの風水は難しい学問というよりむしろゲーム感覚で暮らしを変えるようデザインされていて楽しい。そして自分の運を積極的に支配していくところに格別重点が置かれており、アメリカ人の楽天性と積極性が見られる。ストレスが多く、ペースの早いアメリカの日常生活において、風水は文字通り風や水がながれるように人間関係をスムースに、心身ともにバランスよく暮らしていく助けとなっているのだろう。

<参考資料>
Lillian Too, The Complete Illustrated Guiid to Feng Shui, Element Books Limited, London, 1996.
Richard Craze Feng Shui, MaGraw-Hill Companies, Chicago, IL, 1998.
Simon Brown, Practical Feng Shui, Casse & Co., London, 1997.
Steven Post, The Modern Book of Feng Shui, Byron Press Visual Publications, Inc., New York, 1998.

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2017/6/21

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