不動産ニュース / 開発・分譲

2017/11/22

東急ステイ、地方展開を加速。京都に3施設

「東急ステイ京都両替町通」外観

 東急不動産ホールディングス傘下の東急ステイ(株)は、滞在型ホテル「東急ステイ」の地方展開を開始する。27日、初の地方出店となる「東急ステイ京都両替町通」(京都市中京区、客室数113室)をオープンするほか、18年中に同市内で2施設を開業させる。

 同ホテルチェーンは、リロケーションユーザーの仮住まいを目的に、1993年から事業開始。現在、首都圏17施設、2,445室を運営している。都心立地へのシフトと電子レンジやミニキッチン、洗濯機など長期滞在に対応した客室設備がうけ、近年はインバウンドを中心とした観光客の利用が急増。通年稼働率も93%に。16年度の外国人利用客は、11年度の約4.5倍となる約33万人、外国人利用率も同3倍弱の32.9%まで高まっている。こうした観光需要やビジネス長期利用に対応し、観光・ビジネス両需要の取り込める地方都市への出店を決定した。

 「東急ステイ京都両替町通」は、京都市営地下鉄「烏丸御池」駅徒歩2分に立地。建設地は、織物卸売業者とその家屋跡地で、明治10年築の居宅(町家)を前面道路側へ曳家し改修、レストランとして再利用している。ホテル棟は、鉄骨造地上9階地下1階建て。

 客室は、18~41平方メートル。ダブル49室、ツイン63室、専用庭付きのガーデンツイン1室。全室2名利用が可能で、洗濯乾燥機と電子レンジも完備。宿泊料金は、ダブルが1泊1名1万円~、ツインが同1万5,000円~、ガーデンツインが同2万4,000円~。

 京都エリアでは、「(仮称)東急ステイ京都両替町通別館」(京都市中京区、69室)と「(仮称)東急ステイ京都新京極通」(京都市中京区、54室)を18年冬に出店。「京都両替町別館」は、ツイン・トリプルの比率を高めファミリー需要に対応。「京都新京極通」は長期滞在ユーザーを意識し、全室ツイン、ミニキッチン付きとする予定。

 また、18年春には「(仮称)東急ステイ札幌大通東」(札幌市中央区、185室)、18年6月には「(仮称)東急ステイ博多」(福岡市博多区、216室)、18年冬に「(仮称)東急ステイ札幌大通」(同、175室)、19年春には「(仮称)東急ステイ福岡天神」(同、252室)と相次いで出店。名古屋・大阪エリアや海外での出店もにらみながら、長期滞在志向の観光・ビジネスユーザーをネットワークで囲い込んでいく。

 21日会見した、東急ステイ代表取締役社長の高谷昌吾氏は「長期滞在志向の外国人観光客に、広い室内、キッチンや洗濯機のある客室、好立地で差別化できている。とくにインバウンドユーザーが多い銀座と新橋の施設では外国人比率は65%、観光客比率は70%に達していることから、全国主要都市への展開を決定した。今後8施設・1,241室を増やし、20年度には全国4,300室体制を構築する」と抱負を語った。

ツインの客室。長期滞在に対応するため、電子レンジや洗濯乾燥機などを完備する
従前あった明治10年築と想定される京町家を改修。レストランとして再利用する

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