2020/06/30 18:00更新
足元に全天候型アトリウム。新宿住友ビルを刷新









リニューアルが完了した「新宿住友ビル」外観




巨大なガラス屋根に覆われた「三角広場」は最大2,000人までのイベントが、天候に関係なく実施できる



 住友不動産(株)は30日、旗艦ビルの「新宿住友ビル」(東京都新宿区)の大規模改修工事を完了。報道陣に公開した。


 同ビルは、淀橋浄水場跡地エリアの新宿副都心計画により1974年誕生した超高層ビル。三角形の外観から「三角ビル」の愛称で親しまれてきたが、設備更新やにぎわいの薄れた足元空間が課題となっていた。そのため、有事の防災対応力の強化、日常のにぎわいの活性化を通じた西新宿エリア全体の機能強化を目指し、2017年9月からリニューアル工事を行なってきた。総事業費は、非公開。


 リニューアルでは、これまでの公開空地に巨大なガラス屋根をかけ、ビル本体と結節した。国家戦略特区の枠組みを使い、特定街区の都市計画を変更することで、屋根を架けた部分も空地率にカウントしてもらえるようにすることで屋根付きの公開空地とした。リノベーションにより公開空地に屋根を付けた事例は、日本初。


 ガラス屋根に囲まれた全天候型のアトリウム空間は約6,500平方メートル。イベントスペース「三角広場」は、広さ3,250平方メートル、屋根の高さ最大25m。最も広い空間は75m×45m、広さ2,600平方メートルの無柱空間。壁には吸音材を巡らせ、564インチの大型ビジョンを備え、天候に関係なく大規模イベントが可能。災害時は約2,850名の帰宅困難者を受け入れられるよう、床暖房も備えた。同時に、制震補強、エレベータ・エスカレータの耐震改修、72時間対応の非常用発電設備などBCP性能を高めた。


 地下1階〜地上2階をショップ&レストランエリアとし、26店舗をオープン。地下2階は従前からのイベントホール「新宿住友ホール」を3倍の広さ(1,126平方メートル)にリニューアルした。


 同日会見した同社ビル事業本部新宿事業所長の宮川亨之氏は、「74年に日本一の高さのビルとして誕生した当時は、観光スポットとしてにぎわった。その後、都庁の移転などオフィス機能は充実したが、終日にぎわう東口に対して西口エリアは土日ひっそりとしていた。そこで、公開空地に屋根をかけ、明るく開放的な屋内空間とすることで、天候に関係なくイベントができるようにした。西新宿のポテンシャルは高い。公開空地で分断されていたエリアを、建て替えではなくリニューアルで賑わいを再生していく。当ビルが中心となって、エリアににぎわいをもたらし、人の流れが分かることで地域を活性化したい」などと抱負を語った。
 また、今回のリニューアル計画を主導したビル事業本部商品企画課チーフエンジニアの山田武仁氏は、「青空空地を生きた広場に生まれ変わらせるために、屋根があってはダメなのか? という基本構想にこだわり、今日の日を迎えるまで20年かかった。リノベーションではあるが、まるで未来から来たような姿にできたと思う。また、長く使うための“余白”が新築時から用意されており、考え抜いて作った先人の知恵をリスペクトしている。今日を第二の竣工としたい」などと語った。











改修前の外観




改修前の公開空地。土日は閑散としていた



 



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