2024/05/15 18:00更新
非住宅分野の不動産ストック事業で新ブランド

 大和ハウス工業(株)は15日、大和ハウスリアルティマネジメント(株)、大和ハウスプロパティマネジメント(株)、フジタビルメンテナンス(株)と、不動産ストック事業ブランド「BIZ Livness(ビズ リブネス)」を立ち上げ、本格始動した。


 同社グループは2018年、住宅ストック事業の強化を目指し、統一ブランド「Livness(リブネス)」を開始。約60万件のリフォームやリノベーション、買取再販、売買仲介などを手掛けてきた。当初は住宅系の案件のみを取り扱っていたが、徐々に同社施工の賃貸住宅や事業施設・商業施設といった大型物件の取り扱いを依頼されるケースも増加。23年度には非住宅分野のリブネス事業の売上高は933億円と、リブネス事業全体の24%を占めるまでになった。


 また第7次中期経営計画(22〜26年度)では、老朽施設の再生・バリューアップなどに注力することが明記されており、今回、事業施設や商業施設など非住宅分野の不動産ストック事業を拡大させるため、新ブランドを立ち上げた。事業施設事業と商業施設事業で培ってきたノウハウや全国の営業拠点網、ネットワークなどを生かし、自社施工物件だけにとどまらず、他社施工物件も含む既存施設を取り扱っていく。買取再販や売買仲介、リノベーションなどを手掛ける方針だ。


 買取再販に当たっては、建物の再生・改修だけでなく、テナント企業の誘致も同社が行なうことで、収益物件としての資産価値を向上、不動産投資家のニーズにも対応していく。長野県駒ケ根市で手掛けた案件では、製造業が保有していた築21年・延床面積1万3,000平方メートルの工場を同社が買い取り、数億円かけて倉庫として改修。テナントを入居させた上で、投資法人に10億円超で売却した。これまでに最高で売却価格50億円規模の取引を成立させるなど、大型案件の獲得にもつながっている。


 また、既存施設への太陽光発電システムの設置など、ZEBの施工技術などを生かしたリノベーションにより、省エネ化をはじめとする環境負荷低減に貢献し、企業の環境対策を支援する。


 同社では、ビズ リブネスをストック分野での成長エンジンと位置付ける。同社東京本社経営戦略本部リブネス事業推進部部長の平井聡治氏は「26年度の売上高目標はリブネス事業全体で4,000億円。このうち、ビズ リブネスだけで約4割、1600億円規模の売上高を目指す。買取再販を中心にしていくつもりだが、お客さまのご都合により売買仲介を選択するなど、柔軟な姿勢で取り組んでいく」などと語る。



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