旭化成ホームズ(株)と積水ハウス(株)、大和ハウス工業(株)は4日、各住宅メーカーが在来樹種に着目した都市緑化に取り組むことによる生物多様性保全効果のシナジーを実証するため、3社が連携することによる都市のネイチャー・ポジティブの実効性について協働評価を実施した。住宅メーカー間での協働評価は初となる。
3社は、自然保護区や里山的な環境のみならず、「都市」の生物多様性が住む人のウェルビーイングの観点に重要であると考え、それぞれが在来樹種に着目した独自のまちづくり・庭づくりを提案している。
今回の分析では、3社が異なるさまざまな樹種を植えてきたことで、個社単位に比べ生物多様性の豊さが向上したことが判明。種ごとの個体数を検証したところ、これらの植栽樹木種を3社で統合すると、年間で約350種・43万本に及び、最も種数の多かった個社よりも約10%多いことが分かった。
さらに琉球大発のスタートアップで企業のネイチャー関連事業をサポートしている(株)シンク・ネイチャーが分析したところ、3社が異なるコンセプトで在来樹種に着目した植栽提案に取り組むことについて、生物多様性の多面的な要素を補完しあい、ネイチャー・ポジティブの実現に効果的につながると、科学的な意義が評価される結果となった。
今回の結果を受けて、3社は都市部に多くの住宅・建築物を供給している住宅メーカーとして、在来樹種に着目した植栽提案に住宅・不動産業界全体で取り組むことで、生物多様性保全に寄与していくとした。