2024/10/30 18:00更新
仙台で「敷地売却制度」活用した建て替え/大和ハ

 大和ハウス工業(株)は30日、カルコスビルマンション敷地売却組合が実施した敷地売却事業において、同社が買受人として「カルコスビル」(仙台市青葉区、総戸数50戸)を引き受けたと発表した。


 東北で初めて、マンション建替え円滑化法に基づく「敷地売却制度」を活用。同制度は、耐震性不足等により特定要除却認定を受けた分譲マンションの区分所有者が、マンション敷地売却組合を設立し、買受人(ディベロッパー等)へ建物と敷地を売却する制度。買受人がマンションを除却する。


 「カルコスビル」は、仙台市営地下鉄南北線「北四番丁」駅徒歩1分。1975年竣工の、住宅・店舗・飲食店・オフィス・クリニック等で構成された建物。東日本大震災以降、建物の老朽化や耐震性への不安、外壁の剥落などの課題が顕在化したため、管理組合が修繕・建替え・敷地売却を念頭において検討を進めていた。同社を2023年に事業協力者として選定。同年、同社の買受計画が仙台市より認定され、敷地売却決議が可決。11月にマンション敷地売却組合が設立された。この度、分配金取得計画が認可され権利消滅期日である24年10月30日に引き渡しが完了した。


 なお、同事業は多岐にわたる関係権利者の意向に対する買受人の柔軟な対応を試みる点等が評価され、国土交通省の「マンションストック長寿命化等モデル事業 先導的再生モデルタイプ(建替工事支援)」に採択されている。


 今後は、買受計画に従い、特定要除却認定建物である「カルコスビル」の解体工事を12月に着手予定。解体工事完了後は同敷地を利用して新たにマンションを建設。28年に竣工する予定。



「カルコスビル」外観



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