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流通各社の仲介実績、市場にややブレーキ

2020/05/22 18:00更新

 (株)不動産流通研究所は22日、主要不動産流通各社の2019年度仲介実績調査を発表した。各社にアンケートを送付し、19社から回答を得た。各社業績の詳細は、ページ内一番下にある一覧表を参照。


 調査した19社のうち、11社が手数料収入を減らし、10社の取扱件数が減少した。近年は低金利という追い風もあり、旺盛な住宅取得意欲、不動産価格の上昇に支えられてリテール・ホールセール共に好調だった不動産流通市場だったが、ややブレーキがかかったかたちとなった。


 トップの三井不動産リアルティグループは、リテール・ホールセール共に取扱件数・取扱高が増加。取扱件数は過去最高を記録した。一方で、ホールセールで大型案件が少なかったことや平均手数料率の低下などが響き、手数料収入は前年度の水準にはわずかに届かなかった。


 住友不動産販売(株)は、取扱件数が過去最高を記録したものの、平均取扱単価が下落したため手数料収入が2.2%減少。一方、3番手の東急リバブル(株)は、全エリアで取扱件数・手数料収入共に前年を上回るなど、好調に推移した。野村不動産グループも取扱件数・手数料収入共に過去最高を記録した。


 各社からは、市場の変調を感じるという声が集まった。大成有楽不動産販売グループは、ホールセールの好調で手数料収入を伸ばしたものの、リテールは主力のマンション仲介の件数がマイナスとなるなど、手数料も微減となった。要因は19年10月の消費税増税と、新型コロナウイルス感染症。近鉄不動産(株)では、消費税増税によって昨秋以降の取引に影響が出たとするほか、小田急不動産(株)でも年度下期は増税によるマインド低下が響いたとしている。


 新型コロナウイルスに関しては、取引が集中する2〜3月に営業自粛を迫られたことで多くの会社に大きな影響を及ぼした。三菱地所リアルエステートサービス(株)は、例年大型案件の成約が発生する時期に新型コロナウイルスの影響で取引中止・延期が相次いだ。年度を通じて好調だった東急リバブルも、3月は成約が減少。このほかにも、三菱地所ハウスネット(株)は、2月中旬以降に対面営業を自粛しており、3月末までは継続案件が業績に貢献したが、新年度の業績に影響が出ているという。


 また、ホールセールにおいても、大和ハウス工業グループが、買い主の希望価格と売り主の売却希望価格の乖離が大きくなってきていると指摘。買い主の要求利回り上昇と金融機関の融資厳格化が相まって成約へのハードルが上昇し、成約価格の上昇に歯止めがかかったのではと分析している。


◆主要不動産流通各社の2019年度仲介実績一覧




※三井不動産リアルティの手数料収入は、売買仲介・賃貸仲介、賃貸管理収益などを含む仲介セグメントの収益。住友不動産販売の手数料収入には賃貸仲介含む。東急リバブルの手数料収入は賃貸仲介および賃貸関連収益を含む。東京建物不動産販売は19年12月期の数値、ほかは20年3月期。
※増減は前年比