日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は21日、耐震補強工事に関する調査結果を発表した。
調査対象は、同組合が耐震診断の依頼を受けた1950年〜2000年5月までに着工された木造在来工法の木造住宅(平屋もしくは2階建て)。診断期間は06年4月〜18年6月。棟数は2万6,317棟。
耐震診断結果は、「倒壊する可能性が高い」(評点0.7未満)が73.77%、「倒壊する可能性がある」(同0.7〜1.0未満)が17.41%、「一応倒壊しない」(同1.0〜1.5未満)が7.43%、「倒壊しない」(同1.5以上)が1.38%。9割超の住宅が現行の耐震性を満たしていないという結果となった。
耐震補強工事を行なった人の割合は、全体で29.61%。「倒壊する可能性が高い」では31.68%。「一応倒壊しない」でも21.67%が実施している。
工事実施と巨大地震への意識との関連について、「10〜20年以内に東日本大震災クラスの巨大地震が再度発生すると思うか」と聞いたところ、実施者の91%、実施していない人でも83%の人が巨大地震が発生すると回答。工事実施の有無を問わず80%以上が発生すると考えていることが分かった。
また、その地震に「自身が遭遇すると思うか」の問いでは実施者の66%が「遭遇する」と回答しており、防災意識の高さが工事実施率に影響しているとみられる。
工事実施住宅の建築年代別の割合は、1961年〜95年まではおしなべて約3割の実施率に。81年を区切りとした新・旧耐震で実施率に大きな差はみられなかった。工事金額については全体平均が161万4,920円となり、過半数が150万円未満。旧耐震と新耐震では約37万円の差があった。