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2018/12/21 18:00更新

UR賃貸住宅、再編進め33年度末で1割減へ

 (独)都市再生機構はこのほど、「UR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョン」を策定した。


 2007年12月26日にUR賃貸住宅ストック(約72万戸)の18年度までの再生・再編の方向性を定める「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」を策定し、同方針にもとづき社会環境の変化への対応や経営の健全性確保に努めてきた。同方針の終期を迎えるにあたり、19年度から33年度までの15年間のUR賃貸住宅ストックの活用・再生の方向性を示す新たなビジョンを定めたもの。UR賃貸住宅ストックは、昭和40年代に管理開始した団地等、その多く(約47万戸)が19年に管理開始から40年経過することとなり、入居者の年齢構成やライフスタイルの変化への対応が課題となっている。


 ビジョンでは、「多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち」を掲げ、「多様な世代が安心して住み続けられる環境整備」「持続可能で活力ある地域・まちづくりの推進」「賃貸住宅ストックの価値向上」という3つの視点から、ビジョンの実現に向けたUR賃貸住宅ストックの多様な活用を図る。医療・福祉事業者によるサービス提供の充実、コミュニティ拠点の整備、高齢者・子育て支援、生活利便施設等地域の特性に応じた機能の誘致、高齢者世帯、子育て世帯向け住宅の整備などを行なっていく。


 UR賃貸住宅ストックの地域および団地ごとの特性に応じた多様な活用を行なうため、団地ごとに「団地別整備方針」を策定。団地別の方針を定めるに当たっては、既存の建物を生かしながら地域および団地ごとの特性に応じた多様な活用を行なう団地を「ストック活用」、多様な活用を行なうために再生の必要がある高経年団地(管理開始から40年が経過する団地)を「ストック再生」、土地や建物の所有者の方との協議が調った場合に譲渡、返還等を行なう団地を「土地所有者等への譲渡・返還等」として、団地を類型化した。中でもストック再生類型団地では、多様な活用を行なうため、建て替え、集約、用途転換、改善の手法を複合的・選択的に実施することで再生を進めていくとした。
 適正な再編・削除を進め、33年度末時点で管理戸数65万戸まで集約するとした。


 また、現在、25年度までに150団地の形成を目指すUR賃貸住宅の地域医療福祉拠点化について、33年度末までに250団地程度の形成を目指すという新たな目標を追加。これまでの高齢者世帯に加えて、子育て世帯の支援の充実を図っていく。




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