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2021/07/29 18:00更新

首都圏既存Mの価格乖離率、マイナス6%に

 (株)東京カンテイは29日、2020年下期における既存マンション売出価格と取引価格を比較した「価格乖離率」に関する調査結果を公表した。同社データベースに登録されている、専有面積30平方メートル以上の居住用既存マンションの取引事例のうち、価格乖離率が負の値となるケースを抽出した。


 20年下期の首都圏における既存マンション平均売出価格は3,884万円(前期比2.1%上昇)に対して平均取引価格は3,649万円(同3.3%上昇)となり、価格乖離率はマイナス6.05%(同1.10ポイント縮小)と、直近10年間で最も価格乖離率が小さくなった。需給がひっ迫し、売出価格が上昇傾向にある中で強気の値付けにも買い手がついており、コロナ禍においても旺盛な購入ニーズが既存マンション市場を支えていることがうかがえる。


 売り出しから成約までの売却期間は、12年以降4ヵ月前後で推移。20年下期は4.15ヵ月(同0.03ヵ月減)と、わずかに短縮した。価格乖離率と売却期間の相関関係をみると、売却期間1ヵ月以内での価格乖離率はマイナス2.97%。事例シェアは35.1%で、全体の3分の1以上が売り出しから1ヵ月以内で成約している実態も分かった。なお、売却期間3ヵ月以内ではマイナス3.97%で、さらに長期化し、9ヵ月を超えると乖離率はマイナス10%を超えている。


 近畿圏は売出価格2,858万円(同3.5%上昇)、取引価格2,635万円(同3.3%上昇)で、価格乖離率はマイナス7.80%(同0.19ポイント拡大)。13年以降の価格上昇局面では最も乖離率が大きくなった。売却期間は4.47ヵ月(同0.76ヵ月増)となっており、販売長期化の傾向が加速している。


 中部圏は売出価格2,434万円(同5.6%低下)、取引価格2,248万円(同5.1%低下)となり、価格乖離率はマイナス7.64%(同0.47%減)と縮小した。売却期間は4.16ヵ月(同0.40ヵ月増)と長期化、4ヵ月を超えたのは14年以来となる。




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