国土交通省社会資本整備審議会(会長:福岡捷二中央大学研究開発機構教授)は29日、2014年10月に国土交通大臣よりあった「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策について」の諮問に対して、第一次答申を提出した。関連する部会で審議してきたもの。
答申では、民生部門におけるエネルギー使用の効率化・合理化を喫緊の課題として捉え、建築物の省エネルギー化に向けた規制や誘導措置の方向性を示した。
規制のあり方に関しては、講じるべき施策として、「新築時の省エネルギー基準適合義務化」「既存建築物の省エネルギー化」「建物間の連携した取り組みの評価」などを挙げた。
基準適合義務化に向けた段階的な進め方については、建物の規模や用途、構造などを踏まえて当初の義務化の対象・仕組みを検討し、その後徐々に実施。その上で、当初は、大規模非住宅建築物からの省エネルギー基準適合義務化の実施を検討するとした。
義務化の対象範囲を拡大していく場合は、円滑な拡大ができるように供給側や審査側の体制整備を行なっていく必要があるとする。その上で、住宅の省エネ基準義務化に関しては基準適合率や大工の対応状況など総合的な角度から検討するべきだとしている。
このほか、答申では賃貸住宅や既存住宅の省エネルギー化、都市の低炭素化に向けた取り組みについても言及し、総合的な省エネルギーに向けた取り組みや検討項目について整理している。