（株）コスモスイニシアは30日、「柔らかさのある住まい」をテーマにした住宅の新ブランド「INITIA CLOUD（イニシアクラウド）」を立ち上げた。
同ブランドは、同社が得意としてきたライフスタイルに合わせた柔軟で可変性のある間取りの考え方をさらに発展させ、新築マンションにこだわらず、新築戸建て、リノベーションマンションなどの枠を超えた、住まいづくりの新指標として提案するもの。ブランドコンセプトの構築にあたり、世界的に有名なデザイン集団であるnendoを率いる佐藤オオキ氏の監修を仰いだ。
「イニシアクラウド」は、通常よりも開放的な空間として仕立てた室内空間を、その中の数ヵ所に設定したスライドウォールで仕切ることで、さまざまなライフスタイルに対応する空間として提案するもの。スライドウォールを開閉することで、部屋の広さはもちろん、廊下を収納にする、キッチンと廊下を併用するなど、空間を自由に活用。これにより、家族構成の変化にリフォームなしで対応でき、「暮らしが住まいに左右されず、住宅が暮らしに対応する」住まいを実現する。
また、建具や面材、壁紙など手に触れる部分は、無垢材などの天然素材を積極的に使い、見て触れて心地よい、ぬくもりのある住まいを目指す。
同ブランドは、7月下旬からプレセールスを開始する「イニシアクラウド二子玉川」（東京都世田谷区、総戸数41戸）を皮切りに順次導入。8月下旬にはリノベーションマンション「パレ二子玉川」（東京都世田谷区、総戸数57戸）、一戸建て住宅「グランフォーラム梶ヶ谷」（川崎市高津区、総戸数20戸）にも導入するなど、同社が販売を手掛ける住宅の1割をめどにブランド展開していく。
30日会見した同社執行役員レジデンシャル本部副本部長分譲事業部長の津田英信氏は「マンションは立地と価格がすべてという人も多いが、間取りについてはまだまだ研究開発の余地があり、当社も日々研究を重ねている。住宅・建築業界の人とのコラボレーションも多いが、そこから得られるものは限界がある。そうした中でnendoさんの存在を知り、“人を幸せにするのがデザイン”という佐藤オオキさんの考えに共鳴し、1年半にわたりコンセプトについて協議を重ねてきた。新しいモノや考え方に対する感度の高い人たちが多く住む沿線を中心に展開していく。間取りの考え方など、さらに進化させていきたい」と抱負を語った。
また、nendoを主宰する佐藤氏は「通常、デザイナーはマンションの設計段階で関わることが多いが、コンセプトづくりからお手伝いできるのはとても楽しいし、社会的な影響も大きいと思う。これだけ世の中が多様化する中で、住まいだけが柔軟に対応できないことは大きな課題だ。綺麗なものを作るのだけがデザインではない。コスモスイニシアさんが持っている柔軟性・可変性を際立たせる空間設計をさらに研ぎ澄まし、綺麗なだけのデザインではない、ライフスタイルに合わせ更新できる、ライフスタイルに寄り添う住まいを提案したい」などと語った。
