不動産ニュース / 政策・制度

2016/5/13

民泊物件の要件設定で意見分かれる/民泊サービス検討会

 10回目となる「民泊サービス」の在り方に関する検討会が13日、全日通霞が関ビル(東京都千代田区)で開催された。

 今回は、事務局から提出された新たな民泊サービスの制度の骨子案を踏まえ、意見交換を行なった。

 家主居住型(ホームステイ)については、住宅提供者に行政庁への届け出を求める、家主不在型については、管理者への管理委託を必要とし、管理者は行政庁への登録を義務化するという方向で構成員の意見が一致。
 どちらのタイプにおいても、利用者名簿の作成・備え付け、利用者に対する注意事項の説明、住宅の見やすい場所への標識掲示などを求めること、違反者に対して業務停止命令等の処分や罰則等を設けることにより、匿名性を排除し、安全面・衛生面を確保することで意見がまとまった。

 しかし旅館・ホテルと異なる取り扱いをするために設定が必要となる「一定の要件」については意見が分かれ、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長の北原茂樹氏は、「年間営業日数の上限設定が必要。『30日』を基本に、1日当たり宿泊人数についても上限設定を。それ以上の実施は、簡易宿所の営業許可を取得し、ビジネスとして実施すべき」と営業日数制限を主張。しかし(公社)全国賃貸住宅経営者協会連合会会長の川口 雄一郎氏は、「備品などの初期投資に相応の資金投入が必要。試算すると月に半分程度の稼働でもわずかな利益しか生まれないため、日数制限があると経営的観点から参入が不可能となる」と反論。(公財)日本賃貸住宅管理協会会長の末永照雄氏も日数制限については反対との意見を表明。代替として「賃貸物件の何割まで民泊利用が可能といった面積要件を求めてはどうか」と提案した。
 その他、民泊サービスで提供される物件の大きさ・面積がまちまちであることから、簡易宿所の要件のように、一人当たり面積で制限する案も出された。

 仲介事業者の規制については、同じく行政庁への登録とすることで異論はなく、取引条件の説明や民泊であることのサイトへの表示などを義務化すること、行政庁による報告聴収・立ち入り検査権、業務停止命令・登録取り消し等の処分等をできるようにすることの方向で意見を出し合った。外国法人などへの取り締まりの実効性確保なども含めて、さらに検討を進める予定。

 次回は23日の予定で、引き続き意見交換を行なう。

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