不動産ニュース / 調査・統計データ

2016/7/21

EU離脱が不動産投資市場に与える影響は限定的/LIMがレポート

 ラサール インベストメント マネージメント インク(本社:アメリカイリノイ州シカゴLIM)は21日、主要30ヵ国における不動産投資の展望をまとめた「グローバルにおける不動産投資戦略2016」の中間レポートを発表。グローバル不動産の展望についても解説した。

 先進諸国では、国債利回りが低下する中、優良インカム不動産に対する投資需要が増加していると分析。
 またイギリスのEU離脱が不動産市場に与える影響については限定的であると指摘、アジア太平洋地域投資戦略・リサーチ部責任者のエリーシャ・セ氏は、「ポンド安や投資家からの物件売却が一時的に増加することにより、投資機会は十分ある」と述べた。

 しかし一方で、離脱に向けた進捗に応じてヨーロッパ、北米、アジア太平洋地域に悪影響が出る可能性は否めず、リスク管理の重要性が高まっているとの考えを示した。

 先進諸国の『3つの低』(経済の低成長、低インフレ、低金利)は今後数年間継続する見込みで、債券利回りが低水準にあることから不動産の相対利回りが上昇、投資資金が不動産市場に流入する可能性は高いと見ている。

 アジア太平洋地域については、比較的安定的な経済成長見通しが、地域内外の投資家の資本を引きつけると予測。リスク要因としては、イギリスのEU離脱より、中国の債務水準の上昇、日本の政治改革の遅れなどが大きいと指摘。
 そうした中、投資資本は安全性が高いと見られている日本とオーストラリアの不動産市場に向かう、との考えを明らかにした。

 なお、日本では人口流入が転入を上回る大都市圏の都心部の賃貸住宅や生活必需品主体の商業施設などを優れた投資機会として挙げた。

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