単身者向けの賃貸住宅仲介業を展開する(株)うちナビ(東京都渋谷区、代表:角南 圭氏)は12日、同日同地裁より破産手続き開始決定を受けた。
1995年11月に設立。東京都内の主要駅近辺を中心に直営店「うちナビ」約20店舗を展開するほか、賃貸物件検索サイト「うちナビ」を運営。大企業・大学生協などとの法人契約を重点的に行なっていた。2016年3月期の売上高は約9億6500万円を計上していた。
累積損失を抱えながら、多額の先行投資を要する多店舗展開を短期間に進めたことで財務面が脆弱化。株式公開を目指してベンチャー・キャピタルからの増資なども実施したが、事業基盤や社内体制を整えられないまま、人気タレントを起用した広告宣伝費や店舗増加に伴う人件費の上昇もあって、昨年以降は資金繰りが悪化した。店舗閉鎖などリストラを進めていたが業況は改善せず、今夏には代表の角南氏と連絡がつながりづらくなり、関係者間には動揺が広がっていたという。その結果、10月12日に営業活動を停止、同日同社役員の申し立てにより、東京地裁へ準自己破産を申請した。
負債は16年3月期末で約7億1300万円。