不動産ニュース / 開発・分譲

2023/10/31

千葉・行徳でCO2排出量実質ゼロ目指すマンション

従前は築30年超の社員寮だった
大規模リノベーションで36戸の賃貸マンションに。既存の車路部分はエントランスラウンジに改修した

 (株)長谷工コーポレーションは31日、賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」(千葉県市川市、総戸数36戸)の竣工に伴い、プレス向け内覧会を開催した。

 東京メトロ東西線「妙典」駅徒歩6分に位置。築30年超の社員寮を同社が企業から買い取り、鉄筋コンクリート造地上5階建ての賃貸マンションにリノベーションした。敷地面積1,651.83平方メートル、延床面積3,071.06平方メートル。

 内・外断熱性能向上、カバー工法によるLow-E複層ガラス・真空ガラスへの更新などの改修を実施した。既存の電気・ガス併用のインフラ設備をオール電化に変更し、屋上(18kW)・壁面(0.68kW)・5階部分のガラス手すり(1kW)に太陽光発電設備を設置。純水素燃料電池の採用、セントラルエコキュートによる太陽光発電の自家消費システムの導入等を行なうことで、建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目指す。

 既存車路部分はエントランスラウンジに改修、顔認証システムとオートロックを導入。エントランスホールには、有機EL照明を採用した人感センサ連動のウェルカム演出を取り入れた。外装は、既存タイルの上から金属胴縁工法による下地を設置し、サイディングによる改修を実施。同物件エリアは、江戸川氾濫時のハザードマップエリア(0.5~3.0m未満)となっており、豪雨時の冠水防止のため、専用庭に雨水貯留槽を設置。既存のエアコン室外機置場は、鍵付き置き配スペースとして改修している。

 同マンションには、13戸の実験住戸を用意。全館空調システム・木質系内装材を取り入れ、生活リズムに合わせた照明制御が睡眠の質向上に与える影響を検証する「快眠のための家」、次世代スマートホームのコンセプト検証、未来住宅の創造に向けた研究・技術開発を推進する、すべてがAI制御可能な「IoT+AI Smart Housing」、防音ルームを設置し、シアター視聴に必要とされる音響性能を検証する「シアタールーム」などの住戸には、同社グループの社員が住みながら“暮らしの情報”を収集し、新たな商品の開発、技術・性能向上に活用していく。

 住戸の専有面積は平均70平方メートル。現在、賃料の検討を行なっており、実験住戸以外の住戸については11月頃から入居者の募集を開始する予定。

 同社技術推進部門執行役員の若林 徹氏は、「この物件では、住まいの省エネ向上と再エネによるCO2排出量実質ゼロの実現に向け、太陽光発電を3ヵ所に設置。その余剰電力で給湯・貯湯してエネルギーを有効利用するシステムも導入した。21年12月に制定した気候変動対応方針ではCO2排出量の削減目標を設定しており、50年カーボンニュートラルを目指しグループ一体となって取り組んでいる。引き続き、持続可能な社会の実現に貢献していく」と話した。

エントランスホールには、有機EL照明システムの演出を取り入れた
遮音対策効果を検証する「シアタールーム」。壁・天井・床を防音仕様とし、生活実感も含めて調査する

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