不動産ニュース / 開発・分譲

2024/1/29

ポラス、戸田公園でスマートホーム実装の建売住宅

「B/N戸田公園」外観
リビングに面した中2階を設けた「MIHARASHI」プラン

 ポラスグループのポラスマイホームプラザ(株)は26日、同日販売開始の分譲住宅「B/N戸田公園」(埼玉県戸田市、総戸数10戸)を報道陣に公開した。スマートホームシステムを実装、さらに「AI空調」による室温・住環境管理を行ない、省エネと快適性を両立させる。

 同物件は、埼京線「戸田公園」駅徒歩16分に立地。建物は、木造軸組工法2階建て。土地面積約100~132平方メートル、建物面積約95~104平方メートル、3LDK~5LDK。耐震等級3の長期優良住宅仕様で、断熱性能等級5、一次エネルギー消費量等級6のZEH水準。60年メンテナンスプログラムが付く。モデルハウス2棟は1月13日完成済み、残り8棟は3月上旬完成予定。販売価格は7,480万~8,980万円(モデルハウスは、スマートコントロール対応の家具家電付き)。1戸が契約済み。

 LIXILのスマートホームシステム用ホームゲートウェイを実装。住宅設備や家電(床暖房、エアコン、シャッター、玄関鍵、照明、風呂、カーテン、採風窓、防犯カメラなど)を専用アプリや音声でコントロールできる。太陽光発電と蓄電池を装備(モデルハウス2棟は標準。残8戸はオプション)。エネルギーの最適利用を行なう。

 このシステムを核に、空調機器(エアコン、蓄熱式床暖房)や外気の取り入れを自動制御、室内温度やCO2濃度、湿度などを快適域にコントロールする。室内の温度湿度を計測するセンサーは3つ用意(有償で増やすことも可)。居住者の生活リズムをAIが学習しながら、最適な室内環境に近付けていく。室内各所に暖冷気を送る全館空調と違い、洗面所やトイレ、玄関といった居室以外の温度のコントロールはできないが、建物自体の高い断熱性能とオープン型の間取りで住戸内の温湿度を均一化、省コストで建物全体の快適性を向上させる狙い。

 国土交通省の次世代住宅プロジェクト2023にも採択されており、入居者の承諾を取り、スマートデバイスを介し各種データを収集し、室温や住環境管理が想定通りかどうかを確認する実証実験を行なう。実験は「熱中症対策」と「省エネ対策」の2本立て。前者は、室温が厳戒警戒レベルに上がった場合電動窓を自動で開けて採風を開始。さらに室温が上がったら窓を閉めエアコンを入れる。後者は、居住者のライフスタイルに合わせ「人がいる時間の室温」が快適域になるよう制御。事前のシミュレーションと冷暖房費の差異、一般的な全館空調とのコスト差、温熱環境の満足度などを検証する。

 住戸プランは、リビングに面した中2階を設けた「MIHARASHI」、リビングにテキスタイルタイル張りのラウンジを設けた「ROOMLOUNGE」、リビングに堀座卓カウンター付きの小上がりを設けた「KOAGARILOUNGE」で、リビングを家族のコミュニティの起点としているのが特長。「埼玉県子育て応援住宅」の認定を戸田市の戸建住宅で初めて取得。また、家庭菜園スペース(ポタジェ)や雨水タンクも設置し、サステナブルなライフスタイルを提案する。

 23年9月にホームページをオープン。160組の事前反響を得ている。反響の半数は地元戸田市在住者、残りが隣接市(蕨市、川口市など)。モデルハウス完成後は、60組が見学している。モデルハウス2棟では実際にスマートホームシステムを体験でき、その快適性を理解してもらうことで販促につなげる。

住戸に実装される各種スマート機器。右下のホームデバイスで各種家電や住宅設備をコントロール。温湿度センサーやCO2センサーで室内の温度・空気環境、居住者の有無を測定し、常時最適な温湿度を保つ
モデルハウス2棟は太陽光発電と蓄電池が標準。これらとハイブリッド給湯機とを組み合わせ、エネルギーの最適利用を行なう

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スマートハウス

家庭でのエネルギー消費を最適に制御するシステムを備えた住宅をいう。ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)によって家電、空調給湯設備、太...

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