記者の目 / ハウジング

2008/7/16

アクティブシニア層に新たな住まい方提案

ミサワホーム、平屋住宅「SMART STYLE“A”」を公開

 ミサワホーム(株)(東京都新宿区、代表取締役社長:竹中宣雄氏)は2日、2007年10月に発売した「SMART STYLE」シリーズの新商品「SMART STYLE “A”」の現地見学会を、山梨県甲斐市にて開催した。すでに、1,898棟(7月2日時点)の販売実績があるという「SMART STYLE」シリーズだが、今回はアクティブシニア層に向け平屋を用意、“平屋”だからこそ味わえる住まい方を提案していくという。そのときの様子を詳しくレポートする。

「SMART STYLE“A”」外観。ゆったりとした重厚感のある佇まいが特長
「SMART STYLE“A”」外観。ゆったりとした重厚感のある佇まいが特長
勾配天井で高さを確保。横の広がりだけでなく、縦の広がりも十分に感じられる
勾配天井で高さを確保。横の広がりだけでなく、縦の広がりも十分に感じられる
「作業の手元をリビングから見られたくない」という顧客の声を反映させたキッチンシェード
「作業の手元をリビングから見られたくない」という顧客の声を反映させたキッチンシェード
リビングからも玄関からも出入り可能な「蔵」。アウトドアグッズをしまっておくのに便利なスペース
リビングからも玄関からも出入り可能な「蔵」。アウトドアグッズをしまっておくのに便利なスペース
多目的に利用できる「タタミルーム」。北側の居室ながら明るい空間
多目的に利用できる「タタミルーム」。北側の居室ながら明るい空間
中央のアルミ太鼓障子で間仕切りできる寝室&マルチスペース。ライフスタイルに合わせて自由に活用したい
中央のアルミ太鼓障子で間仕切りできる寝室&マルチスペース。ライフスタイルに合わせて自由に活用したい
寝室から水回りへと誘導するフットライト。暗闇でのケガを防止する「安全のデザイン」
寝室から水回りへと誘導するフットライト。暗闇でのケガを防止する「安全のデザイン」
リビングと庭をつなぐデッキ。深い軒の出が日差しを調節してくれる
リビングと庭をつなぐデッキ。深い軒の出が日差しを調節してくれる
玄関に設置された収納ベンチ。靴を履くときに腰掛けられるのが嬉しい
玄関に設置された収納ベンチ。靴を履くときに腰掛けられるのが嬉しい

スマートに、豊かに、暮らしを愉しむ

 「SMART STYLE」は、間仕切りやインテリア、エクステリア、アイテムなど、幅広い選択肢やプランの自由度をプラスして開発され、“新・企画住宅”として誕生した同社の新ブランド。すでに発売されている“O”シリーズでは2階建てを提案してきたが、今回の“A”シリーズでは有効空間活用を最大限に活用し、“平屋”というコンパクトな住まいの中で、平屋ならではの良さを提案していく。

 では、なぜ平屋なのか。
 同社はこれまで、団塊ジュニアに向けた取組みを強化してきたが、新たなターゲット層の拡大を模索していた。そこで着目したのが、仕事や趣味に意欲的で、定年後の住み替えなども考えているであろうアクティブシニア層。早速、アクティブシニア層に対して独自の調査を行なったところ、戸建住宅を検討している6割以上が、理想の住まいとして「平屋」を挙げ、その理由として「上下移動がなくワンフロアなので生活しやすい」、「バリアフリー設計に向いている」などと回答したのだ。
 今後のアクティブシニアの増加、平屋需要のますますの拡大を予想し、同社は開発に着手したという。
 
 今回見学したのは、平屋の中に大収納空間“1階蔵”を装備した「平屋蔵」タイプ。LDKを中心に、寝室、マルチスペース、玄関、水回りが一体となったワンルーム設計を採用しているため、じつに広々とした印象を受ける。ほかにも、勾配天井により高さを確保、6連開口掃き出し窓が室内全体に“つながりと広がり”を演出するなど、実際よりもゆとりが感じられるよう工夫されている。

 何といっても、リビングから連続して設けられた「蔵」がユニーク。リビングにモノを置かず、すっきり広々と暮らせるよう配慮してつくられたものだ。この蔵は、玄関からも連続した造りで、室内と玄関の双方向から荷物の出し入れが可能となっている。床面を土間にもできるため、ガーデニング用品やバーベキューセットなどをしまっておくのにも便利なスペースだ。また、リビング側に面した扉となっている「蔵引戸収納」は、本棚や飾り棚など、おシャレなインテリアとして活用してもいいだろう。
 さらに、寝室の上につくられた「小屋裏収納」が、プラスアルファの収納力をサポートする。中腰にならなくては入れない高さなので、「普段はそれほど使わないけど、大事な思い出のある品物だから捨てられない」というモノを収納するのに適しているのではないだろうか。何かとモノが捨てられない、シニア世代には特におススメだ。

 リビングから0.5階上がった「蔵」の上には、多目的に利用できる「タタミルーム」がある。ここは北側の居室だが、トップライトや腰壁部分を利用した開口部から光が入る、とても明るい空間となっている。趣味の部屋やゲストルームとして利用したい。
 寝室には、書斎や趣味の部屋として多目的に使用できるよう、マルチスペースを設けた。最近「夫婦別寝」というスタイルを選ぶ人が増えているというが、ここも寝室を分けることが可能。アルミ太鼓障子で間仕切りできるため、別々の空間にいてもお互いの気配がさり気なく伝わり、安心感があるのもいい。また、このスペースは将来のことを考慮して、水回りと一体化させることも容易だという。

「ハッピーデザイン」「八景」の住まい

 「SMART STYLE “A”」は、ユニバーサルデザインに暮らしを愉しむデザイン、進化するデザインをプラスした“HAPPY DESIGN”を採用している。
 
 具体的には、「安全のデザイン」、「健康のデザイン」、「快適のデザイン」、「楽楽のデザイン」の4つ。
 例えば「安全のデザイン」では、指のケガを防ぐソフトクロージング機能付き玄関ドアや、夜中にトイレへ行くときなど、寝室から足元を照らして誘導してくれるフットライトを提案している。
 「快適のデザイン」では、エアコンの使用を抑えて、夏も冬も健康的に暮らせるという「ECO・微気候デザイン」を採用。風の入口を低く、出口を高くして温度差換気を行なうという風通しのいい設計とした。また、南面の深い軒の出は、夏の暑い日差しを効果的に遮り、室内や壁面の温度上昇を抑えるよう、逆に、冬の日差しは遮ることなく暖かさを運ぶよう工夫されている。

 「SMART STYLE “A”」のもう一つの大きな特徴は「八景」だ。平屋の一番の特性というと、どの部屋も庭に面している点。その特性を活かし、すべての窓から美しい景色を愉しむ提案をしているのだ。

 「八景」は、「迎えの景」、「寛ぎの景」、「香りの景」、「癒しの景」、「育みの景」、「遊びの景」、「実りの景」、「憩いの景」の8つのコンセプトからなる。
 家族が自然と集まってくる庭で愉しむというコンセプトの「憩いの景」。ここは、リビングとデッキの連続空間の先にある庭にイスやテーブルを並べ、自然を身近に感じながらコミュニケーションを取り合う“家族団らんの憩いの場”として活用してみてはどうだろう。
 「寛ぎの景」には、1.5階のタタミルームでも自然を感じられるよう、和テイストの竹を植え、砂利を敷いている。腰壁部分を利用した開口からは、葉の揺れを眺めることができ、さわさわとした音が聞こえてくる。何とも寛げる空間だ。

 敷地の形状や目的に合わせ、好みのスタイルにカスタマイズできるという「八景」。四季折々の自然を愉しみながら、自分のセンスで庭づくりに取り組んでみるのもいいだろう。

販売価格は坪当たり51.4万円~

 さて、気になる価格は坪当たり51.4万円~(平屋タイプ、ベーシック仕様)、本体価格はプランにより1,200万~1,500万円といったところ。アクティブシニア層にとっては、退職金やポケットマネーで十分に手の届く価格ではないだろうか。
 商品プランは、平屋タイプ6プラン(20~25坪)、平屋蔵タイプ4プラン(23~25坪)と少なめだが、キッチンを移動させることができたり、LDKを拡張できたりと、さまざまな生活バリエーションに応じられるカスタマイズ例を多く用意し、顧客のニーズに対応しやすくしている。

 「SMART STYLE “A”」の“A”には、いきいきと暮らしを愉しめる平屋(active bungalow)や、要望に応じてカスタマイズできる(able)、お客さまに一番(ace)など、たくさんの意味が込められている。この 「SMART STYLE “A”」、ターゲットであるアクティブシニアはもとより、DINKSや別荘として活用したい人にも関心が高いのではないだろうか。
 すでに、7日より全国(沖縄県・一部地域を除く)で販売が開始されている「SMART STYLE “A”」。平屋住宅の良さをどこまで浸透させることができるか、同社の今後の動向が気になるところだ。(I)

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