不動産ニュース / その他

2012/1/5

住宅・不動産会社トップ、新年の抱負

 住宅・不動産会社各社トップは、仕事始めにあたり、下記のような年頭所感を述べた。(順不同、敬称略)

三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏
住友不動産(株)代表取締役社長 小野寺 研一氏
(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏
森ビル(株)取締役社長 辻 慎吾氏
(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 大栗育夫氏
三井不動産販売(株)代表取締役社長 竹井英久氏
ポラスグループ代表 中内晃次郎氏
トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏
(株)穴吹工務店代表取締役社長 佐々木 弘氏
(株)LIXIL 代表取締役社長 藤森義明氏
(株)さくら事務所代表取締役社長 長嶋 修氏


■三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏

新年明けましておめでとうございます。

2011年は、東日本大震災をはじめとする国内外の自然災害や欧州経済危機などまさに歴史に残る激動の1年となり、国民生活や経済活動も多大な影響を受けました。消費回復等により、年後半の日本経済は回復基調に転じましたが、先進国の景気減速や円高などの影響もあり、そのペースは緩やかなものにとどまっています。

2012年は、被災地の復興が進展するほか、社会保障と税の一体改革の実行に向けての消費税の引き上げやTPP参加などの議論も本格化します。国内の農林漁業の再生など、これまで先送りにされてきた構造的な問題にも取り組むことが求められることになります。経済成長を維持しながら社会保障と税財政の一体改革を成し遂げることは、国を持続的に成長させるうえで必要不可欠、“待ったなし”の状況であり、また、中長期的なエネルギー政策についても明確な方向付けが必要とされます。

当社グループにおいては、新たな中長期経営計画をまとめ、実行に移す年となります。国内事業の競争力の強化や本格的なグローバル化に向けて、グループ一丸となり、既存の枠組みを超えて、事業パートナーやお客様が我々に期待する新しい価値を生み出していきたいと思います。

国内の競争力強化については、成熟化していくマーケットにおいて、刻々と変化する顧客のニーズを的確に捉え、新たな成長分野に対する価値創造に果敢にチャレンジしていきます。これまでの成功モデルが将来にわたって通用しないことを認識し、常に時代のニーズやお客様の求めるものに対応して、我々の商品やサービス、ビジネスモデルを進化させ、イノベーションを起こしていかなければなりません。例えばスマートシティという概念は我々の街づくりには欠かせない、新しいキーワードとなります。

グローバル化については、マーケットのボーダレス化により、我々の商品やサービスを提供する対象が国境を越えて拡がる市場の拡大と捉え、それをいかにビジネスチャンスに結び付けていくかが重要となります。そのためには、海外のお客様の期待に応え、お客様に求められる存在になっていかなければなりません。既に一定の評価をいただいている住宅や商業施設は、着実に実績を積み重ね、またスマートシティのような新しい街づくりについても海外での展開を進めていきたいと考えています。事業のグローバル化は、長期的視点で臨むものであり、目先の状況にとらわれず、本格的なグローバル化に向けての基盤整備に着実に取り組んでまいります。

欧州経済の状況や主要国での政権移行等を考慮すると2012年も激動の1年になることが予想されます。引き続き、我々を取り巻くリスクに対して高い感度をもって臨みつつ、グループ一丸となり、国内外においてイノベーションにチャレンジしていく年にしたいと思います。


■三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏

2012年の経済は、欧州債務問題の長期化も懸念され、引き続き注視していく必要がある。オフィスマーケットに関しては、景気の不透明感もあり、当面はテナント企業の慎重なスタンスが続くと思われるが、年の後半にかけて徐々に回復していくものと期待している。住宅市場に関しては、需要が底堅く、また税制上の優遇策が継続されたこともあり、好調を維持するだろう。
今年は新たな中期経営計画の2年目である。この中期経営計画期間の3年間は、10年後の目標達成のための種まきの時期と捉えている。厳しい外
部環境に臆することなく、必要な投資を着実に行い、成長・飛躍のために備えたい。そのために、
・カスタマーオリエンテッド
 ステークホルダーと良好な関係を構築していくことが重要。
・As One Team
 1人では出来ないこともグループの力を集結することで、力は何倍にでもできる。
・絆
 震災によって絆という言葉が注目されたが、“ カスタマーオリエンテッド”及び“As One Team”のベースにあるのも人と人との絆である。

ということを再認識して、三菱地所グループの総力を以て、この難局を乗り越えていきたい。


■住友不動産(株)代表取締役社長 小野寺 研一氏

新年明けましておめでとうございます。
昨年は、東日本大震災をはじめ、幾多の自然災害が大きな被害と深い悲しみをもたらしました。被災された方々には改めてお見舞い申し上げるとともに、復興に向けた取り組みが加速することを心から願います。日本経済は、震災で寸断されたサプライチェーンが驚異的な回復を遂げた矢先に、円高や欧州の国家債務危機問題などが足かせとなり、未だ停滞しています。補正予算と増税が決まり、政府の施策が動き出した今、復興需要が景気回復を牽引することを期待したいと思います。

当社グループは今期、6期連続の経常利益1千億円超えがほぼ確実な情勢となっております。今年迎える第五次中期経営計画の最終年度では、目標に掲げた「増収増益路線」への復帰を果たし、次期中計に弾みをつけなくてはなりません。従業員数も1万人を超え、組織の重要性がますます高まっております。今一度原点に立ち返り、報告、連絡、相談、いわゆる「報・連・相」をしっかりと実行していただきたい。厳しい環境下ではありますが、中計を成功させて、さらに次のステージに進めるよう、今年も皆で力を合わせ、元気に頑張りましょう。


■(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏

昨年3月に発生した東日本大震災により多数の方々が犠牲になり、想像を超えた被害の大きさは日本にとって正に未曾有の危機となった一年でありました。被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。加えて欧州の債務危機などにより世界経済の下振れリスクが顕在化、震災の影響による厳しい状況が継続するなか、株価の低迷や長期にわたる円高、消費税の増税議論なども重なり、マンションの購入を検討されるお客さまのマインドの変化などが懸念された1年でありました。

2012年は世界経済の先行きは引き続き不透明な状況で推移、国内経済も厳しい局面に入ってくることが想定されますが、そこには大いに『チャンス』があります。我々はそれを見逃さないようにしなければなりません。負の遺産処理は終わり、成長に向けた基盤づくりも整いました。さらにグループが成長していくために、一人ひとりが常に丁寧な仕事を心がけ、お客さま・取引先目線で仕事をし、お客さま満足度を向上させ、大京のコーポレートブランドの向上につなげていくため、次の3点を皆さんにお願いします。

一つ目は『先を見据えた仕事をする』です。世の中は、想像をはるかに超えるスピードで変化しています。変化を肌で感じ、お客さまにどのような新しい価値を提供していくのかを真剣に考え、見出していく必要が
あります。グループ社員の一人ひとりが、常に先を見据えた仕事を心がけて、未来を予測し、行動をしていく意識を持って業務に取り組んで下さい。

二つ目は『チャレンジ精神を持つ』です。グループはようやく成長に向けた環境が整いました。これからは様々な可能性にチャレンジしていきたい。新たな国内ビジネスの創造やお客さまの声をビジネスへ繋げる仕組みの構築、グローバル化への対応にも備えが必要です。皆さん一人ひとりが、「新しい業務」や「新しい分野」へ積極果敢にチャレンジしていく姿勢を示してください。

三つ目は、『グループ力の向上』です。グループの連携は進んできておりますが、イノベーションを起こしていくには、まだまだグループの連携が十分ではありません。大京グループの価値を最大化していくためには皆さん一人ひとりが率先垂範し、グループ会社・各部所間のインターフェイスとなり一体化させていく役割を演じていく必要があります。これから大京グループが勝ち残っていくために、グループが持つソフト面・ハード面の両方をさらに強化し、グループ力を向上させていきましょう。

以上の3点をしっかりと認識し、2012年はグループ社員全員で、未来に向けた「新しい不動産サービス事業」の本格展開に向けた行動を開始していきます。


■森ビル(株)取締役社長 辻 慎吾氏

昨年の東日本大震災、さらに欧州の金融危機など、世界経済の行方も未だ予断を許さない状況にある。厳しい状況が続くなか、まさに企画力、開発力、運営力のある会社だけが淘汰を生き抜いて成長していく年になるだろう。

昨年、「総合特区法」と「都市再生特別措置法の延長・改正」が通り、さらに東京都が「国際戦略総合特区」の地域指定を受け、東京がアジアのヘッドクォーターへ発展していく扉が開かれた。また、震災以降、森ビルの震災対策やこれまで地道に推進してきた安全・安心への取り組みが注目を集め、各方面から高い評価を受けている。こうした「法制度の整備」と「森ビルブランドへの信頼」は、我々の今後の展開に大きなプラス要因となる。

次なる飛躍のために、我々が取り組むべき今年のテーマは3つある。まず、足元の資産を有効活用し、収益を向上させること。そして、現在仕掛かり中の「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」「(仮称)21・25 森ビル建替計画」「環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業III街区」が、2012年以降続々と完成するなか、森ビルのノウハウのすべてを注ぎ込んでプロジェクトを成功させること。さらに、その先、我々が街づくりをしてきた新橋、虎ノ門、神谷町、六本木一帯を含む大規模エリアを国際新都心に再生し、東京が世界の都市間競争に勝ちアジアのトップに立つための構想を仕掛け、仕込むことだ。

我々が目指すのは、森ビルが半世紀の試行錯誤を経て辿り着いた都市モデル「ヴァーティカル・ガーデンシティ(立体緑園都市)」をつくり、育てることに集約される。森ビルのつくる街は、非常に様々な要素を複雑に組み込んでできあがっている。その一つ一つがうまくかみ合ってはじめて、いい街、面白い街ができる。だからこそ、各セクションが連携し全社一丸となって取り組む意識や発想が不可欠だ。

森ビルの未来は大きな可能性に満ちている。森ビルらしい、森ビルにしかできない開発をやり続けることで未来は拓かれる。やるべきことははっきりと見えており、後はやるだけだ。人は不可能と思えることに挑戦したときに成長する。そして、一人ひとりの成長こそ、会社が成長していくエンジンとなる。2012年が森ビルの歴史に残る素晴らしい年となるべく、皆さんの一層の奮起と活躍を期待する。


■(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 大栗育夫氏

新年あけましておめでとうございます。

昨年は東日本大震災が起こり、当社への影響も懸念されましたが、グループ社員の努力により、無事に乗り切ることができました。
建設会社である我々の使命は、まさに“人の命を守る器”をつくる事であり、これは社会的に大変意味のあることで、やりがいのある仕事だと考えています。今後も優良な社会ストックとしてのマンションをつくることを当社の大きな役割として、高品質で低廉なマンションをつくり続けていくことが重要です。

今年は、世界経済や国内景気の動向によっては予断の許さない状況が続くものの、マンションの着工数は増加傾向にあり、供給数は首都圏を中心に伸びてくると予測しています。ここ数年供給が少なかった一次取得者向けの郊外型マンションの需要も顕在化してきています。
また、安全や安心、防災に対する意識の高まりを受けて、住宅関連サービス事業の重要性も益々大きくなってきています。地道な努力を積み重ねることが基盤を固める近道であり、入居者の期待に応えるべく技術やノウハウに磨きをかけ、サービス意識を高めて対応していくことが大切です。
将来を見据えた分野での取組みも重要で、土地活用賃貸マンション、高齢者向けのサービス付きマンション開発、ミニ再開発、建替えを含む老朽マンションの再生事業など今年は一歩踏み出すための、基盤づくりをする年と位置づけています。

今年は「反転攻勢」をキーワードに掲げ、長谷工グループの持続的発展に向けて戦いを挑みたいと思います。
これまでの流れを断ち切り攻勢に立つ。まずは、きちんと利益の取れる事業、価値のある事業をつくり出していかなければならない。そのためにはグループ全体の組織力を活かし、総力を結集することが必要です。組織力は、お互いを知り、理解して、信頼するところから始まります。情報も悩みもグループ内で共有し、グループ全体で総力戦を展開し、「反転攻勢」をかけていきます。


■三井不動産販売(株)代表取締役社長 竹井英久氏

明けましておめでとうございます。
まずは、東日本大震災により被災された方々へ心からお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

さて、昨年は自然災害と欧州発経済不安などで国内景気も思うように前に進めず、日本全体が先行きも不透明なまま新年を迎えることになりました。震災は、人々の住まいや暮らしに対する考え方をも大きく変えました。それまで重視されていた生活・交通利便性に加え、「安全、安心」への関心が高まっています。新築住宅と共にセカンダリーマーケットの拡大が期待されるなか、不動産流通業界のリーディングカンパニーとして「安全・安心」なマーケットの形成、取引の実現に全力を尽くしていきたいと思います。

そのためには、今一度‘営業会社’としての原点に立ち返り、お客様の声に真摯に耳を傾け、当社にお客様が寄せてくださる信頼、期待を受け、満足していただける質の高いサービスの提供を何にも増して心がけていかねばなりません。

辰年の今年は、「立つ」年、すなわち顧客第一でかつチャレンジのリスクテークに寛容な文化とコンプライアンス・リスク管理に厳しい風土が併存する営業会社を目指し、新たな成長戦略をスタートさせる「立つ」年にできればと念願しております。


■ポラスグループ代表 中内晃次郎氏

本年は、国際的にはアメリカ大統領選挙や中国、フランスなど各国トップの交代が予想される他、ユーロ圏の財政問題に端を発するソブリンリスクや、国内では長引く円高や原発問題など、先が見えづらい環境下にありますが、一般にオリンピックイヤーは景気が良くなるとも言われていますので、期待が持てる年になると思います。また、東日本大震災からの『復興』に向けた姿が見え始め、住宅業界はこの動きに呼応するように忙しい年になると予測されますので、工期短縮や生産体制の確立など、先を読んだ仕事が必要とされます。

当社では、『100年を超えてもなお続く企業づくりの礎の構築』を目指し、経営理念について社員の理解をより深め、理念に則って行動して参ります。そして当社の特長でもある地域密着型経営を活かし、生産性を向上し業績を伸ばすことで、給与を上げることはあっても下げない体制を構築していきたいと考えております。今23年度はお陰様でよい業績を残せそうですので、『復興元年』ともいえる今年だからこそ、我々が先頭に立って遮二無二働き、会社そして日本を元気にして参る所存です。


■トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏

東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

国内景気は、世界経済の不透明さから当分厳しい状況が続くと覚悟せざるを得ません。それだけに、内需拡大の柱になるべき住宅へは大きな期待がかかります。とくに、震災を機に、安心できる住まいとエネルギーの重要性が再認識され、住宅が担う役割は一層高まったと言えます。消費税率の引き上げ論議が本格化していますが、住宅については、裾野の広い内需の牽引役であることを踏まえ、特段の配慮を期待します。

さて、当社は “エコミライの家”を総合ブランドに、「快適かつ経済的で地球環境にも優しい住まい」づくりを進めています。2011年秋には、耐震性に優れ、省エネ・創エネ・蓄エネを考えた住宅で、かつ非常時の給電対応を備えた“スマートハウス”『シンセ・アスイエ』を市場に投入、大きな反響を呼びました。トヨタグループの技術を結集したオリジナル技術によるスマートハウスは、明日の住宅のスタンダードになるものと確信しています。

住宅市場のニーズが変わる中、今年は“家とクルマの連携”が大きく進展すると思われます。当社はトヨタグループの技術力を結集して、クルマと連携できる強みを生かしたスマートハウスをより進化させ、“環境のトヨタホーム”にふさわしい新商品を引き続き提供していきます。

こうした魅力ある商品をリーズナブルな価格で提供することにより、お客様の“家を建てたい”という夢の実現に協力していきます。また、現状の住環境をより快適にというお客様向けに、「リフォームを中心としたストックビジネス」も強化していきます。

これらにより“スマートハウスと環境”のリード役としての役割を果たし、「日本の住まいをよくしたい」という創業の精神のもと、社会に貢献していきます。


■(株)穴吹工務店代表取締役社長 佐々木 弘氏

2011年前半は東日本大震災の発生、後半は欧州危機を発端とする金融不安が世界を覆い出す、そんな1年でした。そのような中で、更生計画を上回る実績を残せたことは、社員皆さんの頑張りの成果であると思います。ただ、取引先各位も、穴吹工務店グループが環境変化に対応できる企業集団に生まれ変わっているのかを注視しています。我々の実力が試されるのは、まさにこれからです。

欧州危機は未だ継続し、日本経済は更なるデフレの深刻化が予想されるなど、外部環境は予断を許さない状況です。そうした事業環境のなかで、穴吹工務店については、新体制下で用地取得・企画を進めた物件の販売が始まっていきます。また、穴吹コミュニティ・穴吹建設などのグループ会社も、コスト圧縮等による競争力の強化、外部環境の変化に対応できるビジネスモデルへの転換を図っていますが、さらにスピード感を持って、進めていく必要があります。

穴吹工務店グループは、自社グループでの一貫体制によるマンション供給を事業の中心に据えており、ビジネスモデルの転換を行いやすいグループだと考えています。昨年度の組織・人事の変更を踏まえて挑戦できる土台は整っています。ぜひ今年は、永続する企業集団への、実行の年にしましょう。


■(株)LIXIL 代表取締役社長 藤森 義明氏

新しい年を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。昨年は東日本大震災、タイの洪水など未曾有の自然災害に見舞われるという厳しい年でした。この場をお借りし、災害に見舞われたすべての方々に、改めてお悔やみ申し上げます。

御存知の通り、私たちLIXILグループは昨年、将来の飛躍に向けた様々な挑戦に取り組んで参りました。4月にグループ傘下の主要5社を統合し(株)LIXILをスタート。国内事業では8月にインテリア分野、身装・美術工芸分野に長い歴史と実績を持つ川島織物セルコン社、10月にはプレカット製品の製造・販売事業を展開するハイビック社、海外事業では1月に上海美特カーテンウォール社、そして12月にはカーテンウォール事業で世界No1のイタリアのペルマスティリーザ社をグループに統合しました。これらの活動を通じ、『私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。』というグループの企業理念の実現に向け、「住まいのトータル・ソリューション・プロバイダー」への進化の布石を打って参りました。

私たちは「中期経営VISION」として、「住生活産業におけるグローバルリーダーになる」という経営目標のもと、2016年3月に「売上3兆円(内 海外1兆円)、営業利益率8%」という目標を掲げておりますが、その達成に向けては、前出の統合効果を確実なものとし、国内事業の更なる強化と海外事業の体制構築を一日も早く確立しなければならないと考えております。

東日本大震災は、我が国のエネルギー政策にとって大きなターニングポイントとなりました。京都議定書をはじめとする地球温暖化対策を進める上で不可欠とされた原子力発電に頼った政策が見直され、エネルギー政策を抜本的に見直さなければならない状況となったわけです。ここ10年間の我が国のエネルギー消費量を見てみると、様々な改善が図られてきた工場などの産業部門や運輸部門の消費量は横ばい、一方では家庭など民生部門の消費量が快適さや利便性を求めるライフスタイルの普及等を背景に、大幅に増加してきています。脱原発依存のエネルギー政策を考えた場合、快適さや利便性を維持しながら如何に家庭が消費するエネルギー量を抑制するか、という大きな課題に取り組む必要があります。私たちグループは「住まいの少エネ・省エネ・創エネ」活動の推進により、住宅やビルのゼロエネルギーの実現し、我が国の新たなエネルギー政策にも寄与して参りたいと考えています。

また、LIXILグループを「世界に誇れるグローバル企業」へと発展させるために、M&Aや提携を今後も積極的に進めて参ります。私たちが真のグローバル企業へと進化するためには、事業を拡大するだけでなく、同時に従業員や文化も進化していかなければなりません。性別・国籍などの違いを認め尊重し合い、オープンで率直なコミュニケーションが可能な組織・文化を育んで参ります。そのためには、リーダーシップ教育や社員の海外経験を増やすなど、グローバルに活躍できる人材育成にも力を入れて参ります。

私たちグループの挑戦は始まったばかりです。本年は統合基盤を確立し、真の意味での「住まいのトータル・ソリューション・プロバイダー」への進化を目指し、LIXILにしかできないサービスの提供という新たな領域へと邁進する所存です。


■(株)さくら事務所代表取締役社長 長嶋 修氏

新年あけましておめでとうございます。

EU・アメリカの経済・財政的な火ダネや中東の政変、北朝鮮問題など不安定な世界情勢に加え、アメリカ・フランス・韓国等の大統領選挙、中国の政権移行など、何が起きてもおかしくはない状況のなか、日本の人と不動産の関係にも大きな変化が起きています。

2012年は「ホームインスペクション元年」「住宅省エネ元年」といっていい一年。業界の各プレイヤーがホームインスペクションへ本格的な取り組みを始めるほか、「スマートハウス」などの新商品を各社がこぞって開発、フラッグシップ的な商品も投入されそうです。不動産・建築業界はあの時が転換点だった、と振り返る年になるでしょう。

「日本人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」弊社理念を2012年も忠実に追いかけ、ホームインスペクション業界のフロントランナーとして業界を牽引し、健全な雇用拡大、不動産取引透明化への貢献を目指します。

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