不動産ニュース / 調査・統計データ

2016/11/14

地場不動産仲介業の景況感、わずかに回復の兆し/不動産流通研究所調査

 (株)不動産流通研究所は14日、2016年7~9月期の「地場の不動産仲介業における景況感調査」の結果を公表した。アットホーム(株)に研究委託し、四半期ごとに実施している調査。

 北海道、宮城県、首都圏、静岡県、愛知県、近畿圏、広島県、福岡県のエリアごとに前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。「50」が前年並み。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、同一都道府県内で5年を超えて不動産仲介業に携わる2万4,213店の経営者層を対象にインターネットで調査。有効回答数は640店。

 16年7~9月の賃貸仲介DIは、北海道48.1(4~6月期比0.6ポイント上昇)、宮城県26.5(同9.7ポイント低下)、首都圏40.4(同0.5ポイント低下)、静岡県38.3(同1.7ポイント低下)、愛知県40.9(同3.9ポイント上昇)、近畿圏36.7(同5.0ポイント低下)、広島県50.0(同7.1ポイント上昇)、福岡県46.6(同10.5ポイント上昇)。広島県以外がDI50を割り込んだものの、8エリア中5エリアでDIが改善した。

 16年10~12月期の見通しDIは北海道38.5、宮城県32.4、首都圏43.2、静岡県42.5、愛知県44.0、近畿圏42.2、広島県44.2、福岡県50.0となった。7エリアで50を割り込み、慎重な見方が続いているものの、6エリアで前期の見通しDIを上回るなど市況回復への期待をにじませる結果となった。

 回答した不動産会社からは、「長期空室の部屋とすぐに決まる部屋がはっきりしてきたので、差別化が必要」(東京都新宿区)、「賃貸住宅を探す目がより厳しくなった」(埼玉県川越市)など、ユーザーの要望が高度になっていることを伺わせるコメントが上がった。

 売買仲介DIは、北海道56.7(同15.4ポイント上昇)、宮城県38.9(同2.2ポイント低下)、首都圏41.4(同0.7ポイント低下)、静岡県43.9(同4.5ポイント上昇)、愛知県46.7(同13.8ポイント上昇)、近畿圏44.6(同1.3ポイント上昇)、広島県61.5(同17.3ポイント上昇)、福岡県58.0(同5.2ポイント上昇)。北海道、広島県、福岡県の3エリアでDI50を超えたほか、6エリアで前期のDIを上回った。

 10~12月期の見通しDIは、北海道47.1、宮城県33.3、首都圏43.2、静岡県41.0、愛知県45.3、近畿圏44.4、広島県34.6、福岡県56.0となった。6エリアで前期の見通しDIよりも改善した。

 不動産会社からは、「売却に出す際の価格が若干高くなった。お客さまが強気になっている」(千葉県船橋市ほか)、「郊外から都心へ移動する傾向が年々強くなっている」(大阪市)などといったコメントがある一方で、「収益物件の需要が多く、バブルがはじける前の状況に少し似ている」(東京都千代田区)と、市況への警戒感を強くするコメントもみられた。

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