海外トピックス

2008/5/7

明美コーンのアメリカ便り vol.106 アメリカ不動産エージェント、成功のカギは? (その3)

センチュリー21クルーザー&セイラー社内。がらんとしているが、エージェント達は個々の裁量で家や外回りをして仕事中。全員が集まるのは週1回のミーティングの時だけだ(イリノイ州リバティヴィル市 センチュリ?21クルーザー&セイラー社  www.kreuserandseiler.com 以下同)
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センチュリー21クルーザー&セイラー社内。がらんとしているが、エージェント達は個々の裁量で家や外回りをして仕事中。全員が集まるのは週1回のミーティングの時だけだ(イリノイ州リバティヴィル市 センチュリ?21クルーザー&セイラー社  www.kreuserandseiler.com 以下同)<br />
コンピューター、ファックス、プリンターなどは共有する
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コンピューター、ファックス、プリンターなどは共有する
プロモーション用のカタログ。右は、個々のエージェント達の写真と名前入りで社から顧客に郵送されるハガキ
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プロモーション用のカタログ。右は、個々のエージェント達の写真と名前入りで社から顧客に郵送されるハガキ
受付。エージェント達は時折ボランティアで電話の応対をすることもある
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受付。エージェント達は時折ボランティアで電話の応対をすることもある
不動産エージェントとして仕事に絶大な熱意と愛情を持っているパム・フーサック(右)。孫達をかわいがり、母親の介護をしっかりし、趣味も多い、スケールの大きな女性だ
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不動産エージェントとして仕事に絶大な熱意と愛情を持っているパム・フーサック(右)。孫達をかわいがり、母親の介護をしっかりし、趣味も多い、スケールの大きな女性だ
プロフィール:明美コーン
なかの・あけみ・コーン
明美コーン横浜生まれ。多摩美術大学デザイン学科卒業。1985年米国へ留学。ルイス・アンド・クラーク・カレッジで美術史・比較文化社会学を学ぶ。89年クランブルック・アカデミー・オブ・アートにてファイバーアート修士課程修了。現在Evanston Art Center専任講師およびアーティストとして活躍中。日本でも個展を開催している他、受注制作も行なう。

アメリカの大衆文化と移民問題に特に関心が深い。また、音楽家の夫と共に、シカゴ、その他で複数のアパート経営をする実業家でもある。
「スローエコノミー」という名の不況
アメリカ政府は“スローエコノミー”と言葉はやさしいが、実際はスローどころか、不況、不景気であり、ガソリンや食品の値上がりは激しい。とりわけ好景気な時に家を郊外に買った人々は、通勤、通学に車は不可欠だが、ガソリン代の高騰に悲鳴を上げている。家族が1人1台車を持つ郊外族にとっては、車を減らすどころか、家を維持するのすら苦しくなってきている現状である。ようやく不動産ビジネスは活発になったとの声をきくが、まだまだ楽観は難しいようだ。
では、数々の賞に輝くベテラン不動産エージェント、パム・フーサックはこのような状況にどのように対処しているのだろうか?

景気の良し悪しにかかわらず、常に最上のサービス
予想に反して、パムは現在のように不動産ビジネスが低調な時でも、特別な対処はしていないそうだ。それは、会社(センチュリ−21社  www.kreuserandseiler.com )もパムも常に最上のサービスをしているという自信があるためだ。強いてあげれば、家を売りに出す顧客に迅速に売れるよう、専門家の立場からのアドバイスをする程度だという。当然のことながら、売りに出したら一刻でも早く売りたい。何カ月も売れないと、その間維持費や税金を払わなければならないし、家を売ったお金で新しい家を購入する予定とか、引っ越しなどの差し迫った事情もあろう。
しかし、数年前に比べ、現在は買い手市場。売れるまで、はるかに時間がかかるようになった。パムは「すぐ売れる家」というのは、適切な価格と人々の目にふれる機会が多い物件、と定義づける。

価格設定でもエージェントのノウハウがモノをいう
そうは言っても中古物件に対して“適切な価格” を設定するのは大変難しいものだ。売る側にしてみれば、より高い値段で売りたいし、自分の家には相当な思い入れがあろう。しかし、売り手がその中古物件にあまりにも高い値段をつけた結果、何ヶ月も売れず、次第に値下げせざるを得なかったり、あきらめてマーケットから引っ込める、という例はたくさんある。
その点、不動産エージェントは不動産市場に関して膨大なデータを持っているし、新しい動向にも詳しい。そして例えば4,000万円とはじき出した物件でも、最終的な価格表示に関して顧客とさらに検討するに違いない。なぜなら、価格を仮に4,050万円に設定すると、買い手が物件リストを調べる場合にその物件は4,000万円以上5,000万円以下の範疇から引き出される。一方、3,990万円に価格を設定すれば、その物件は3,000万円以上4,000万円以下の範疇から引き出される。どちらの範疇に的を絞るか、他の物件と比べどちらが有利か、その辺りは専門家である不動産エージェントの経験と判断が売り手への大きな助けとなる。

地道でこまめな営業が、後の「信用」につながる
潜在顧客をその気(売る気、買う気)にさせるには、新聞や雑誌に頻繁に広告を掲載したり、ハガキを顧客に出す。パムが所属するセンチュリー21クルーザー&セイラー社には、パムの名前を入れて顧客に雑誌とカードを年4回送るプログラムがある。すでに家を購入した顧客リストを通じて送るのだが、彼等は5年から7年毎に家を買い換える傾向があるので、常に彼等とつながりを保つのは大切なのである。加えて、ハガキに家の写真と共に“JUST LISTED(マーケットに出しました)”と書き込んだものを送り、のちにその物件が売れたことを知らせる“SOLD!”と書き込んだハガキを送るプログラムもあり、これは自動的にオフィスから顧客に出されるが、切手代はパムの負担。他にも時折顧客に電話したり、クリスマスカードを毎年送って顧客とのつながりを保っている。
現在のようにスローな時期だからこそ、顧客と常につながりを保つのは重要。パムは自分のかつての顧客達の紹介で、彼等の友人や親戚、知人などが連絡をとってくるケースが多いというが、かつての顧客達や新しい客達とのビジネスを通じて、信頼に基づいた人間関係を積み重ねていく地道な努力がのちのち「信用」として実を結んでいっているのだろう。

電話応対で、新規顧客をキャッチ
新しい顧客を開発するためもあって、パムはボランティアで時折オフィスの電話応対をするという。新聞や雑誌の広告を見たり、通りすがりに看板を見てオフィスに電話してくる人もあり、そんな場合はパムが自分の顧客として引き受けることができる。エージェントは個人がそれぞれ独立して働くため、自分が開拓して得た顧客は大切な財産、自分の顧客を他のエージェント達と共有はしない。

明るく、正直に、そして効率的に
最後に、これから不動産ビジネスに参入する人々へパムからのアドバイス。
「精一杯仕事に集中する覚悟と、明るく、誰に対しても正直であること。仲間だけでなく、よその会社の不動産エージェント達に対しても協力的であること。えてして競争心が働き、他社のエージェント達に対して防御的になる傾向があるので…。ゴールは、家を売りたい顧客には彼等の家を売る手伝いをし、家を買いたい顧客には家を買う手伝いをするのだから、できうる限り、このプロセスをスムースに明朗にやり遂げる努力を惜しまないこと」。







AKEMI NAKANO COHN
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