記者の目 / イベント・セミナー

2010/6/11

自分らしい住まいづくり、暮らしとは?

朝日住まいづくりフェア2010を取材して

  5月28日(金)~30日(日)の3日間、東京ビッグサイトにて、「朝日 住まいづくりフェア/住宅設備・建材EXPO 2010」(主催:朝日新聞社、トレードショーオーガナイザーズ(株))が開催された。「スタイルハウジングEXPO」「デザイナーズリフォームEXPO」「ガレージングEXPO」の3展が同時開催するという日本最大級の住まいの総合展示会だ。主催者によれば、初日の来場者数は、住宅業界関係者が全体の6割以上、6,183名)だったのに対し、最終日は9割(8,722名)が一般来場者数ということから、この展示会が業界のみならず、幅広い層から注目されていることがうかがえる。 3日間合計で、3万人程度の来場者数を記録した同展示会。  初日、金曜日のお昼どき、開催直後から各ブースをのぞいてみた。

会場入り口。3日間で3万人が来場したという
会場入り口。3日間で3万人が来場したという
開催初日、受付には長蛇の列
開催初日、受付には長蛇の列
初日午前中とはいえ、なかなかの賑わい
初日午前中とはいえ、なかなかの賑わい
愛犬家住宅コーディネーターが住まいづくりを提案するコーナーも
愛犬家住宅コーディネーターが住まいづくりを提案するコーナーも
住宅エコポイント相談コーナー
住宅エコポイント相談コーナー
ビジネスマンでにぎわっていた住宅メーカーのブース
ビジネスマンでにぎわっていた住宅メーカーのブース
さりげなく水の流れをとりいれた「座間造園」の和風庭園
さりげなく水の流れをとりいれた「座間造園」の和風庭園
意外に心地よかった、完全防水耐震地下収納庫
意外に心地よかった、完全防水耐震地下収納庫
木製のチェアで半身浴を体験
木製のチェアで半身浴を体験
家とともにどう暮らしていくのか、を考えさせられた展示会であった
家とともにどう暮らしていくのか、を考えさせられた展示会であった

 会場は西ホール。10時の開催直後に行くと、受付にはスーツ姿の男性が長蛇の列!商談目的に来ている人が多いが、この会場も週末になれば、イベントステージで開催される「天装戦隊ゴセイジャーショー」見たさに、ファミリー連れで溢れるのだろう。とりあえず比較的ゆとりのある初日の午前中、すべてのブースをくまなく回ることに。

犬を家族と考える“愛犬家”のための住宅プラン

 「スタイルハウジングEXPO」のスペースから入ると、通路に沿って「建築家デザイン住宅セレクション」などの展示が目立つ建築家コーナーがある。ここだけでも建築系のイベントとして成立しそうだ。

 愛犬と暮らす記者が、思わず立ち止まってしまったのが、「ペットと暮らす家づくり」コーナー。「愛犬家住宅コーディネーター」という言葉に惹かれ、犬と戯れる女性にインタビューすると、(株)ワンオンワン(東京都港区、代表取締役社長:中嶋宏一氏)のスタッフで、愛犬家の快適な住まいを応援するために作った「愛犬家住宅コーディネーター」や、「愛犬家住宅アドバイザー」といった愛犬家の住まいづくりの専門家で、犬を家族の一員として考える彼らの話に思わず引き込まれそうになる。
 スタッフは話しながら「AJパーフェクトコート」という愛犬にも優しいガラスの薄膜状のコーティング剤が塗られた床の上で、犬2匹と戯れていた。「AJパーフェクトコート」は、床の滑りを防止するだけでなく、床、壁、家具を傷・汚れから守るもので、既存の床などに塗るだけの簡単加工。人と犬がより快適に暮らせるように、工務店などを通じて提案しているという。なるほど。犬をわが子のように愛する人にとってみれば、愛犬家住宅コーディネーターが提案する住まいづくりは説得力があるだろうと納得…。

 続いて、「スタイルハウジングEXPO」のスペースへ。なぜか「住宅エコポイント相談コーナー」だけがガランとしていたが、おそらくは週末に人がどっと相談に押しよせただろう。東京電力(株)や、長寿命住宅共同組合、スウェーデンハウス(株)などが比較的大きめのブースで目立った。

 「地域の優良工務店コーナー」、「太陽光・エコ住宅コーナー」、「住宅資金・不動産コーナー」、「耐震・免震コーナー」などがまとまる「住宅設備・建材EXPO」には、ビジネスマン等が多数訪れていた。

ロハス、庭園…、自然のある暮らし

 「デザイナーズリフォームEXPO」では、(株)OKUTA(埼玉県さいたま市)の LOHAS studioの展示に惹かれて中へ。珪藻土の壁がいかにも自然に優しく、思わず足が止まる。
 自然素材に惹かれて…といえば、1980年4月1日生まれの座間浩一氏が代表を務める(有)座間造園(神奈川県相模原市)の庭園は印象的だった。和風の造園オブジェに自動で水を流し、水の癒しを会場内に提供し、ひときわ目立っていた。さりげなく、水の流れが庭にある。水の音を聞くだけで日々の生活にも潤いが増すであろうと、改めて感じ入った。

意外や癒し空間?「家庭用地下収納庫」

 お昼も近くなり、足はいつの間にか、ラーメンの行列のほうへ。「ガレージングEXPO」内に設置された「東京ラーメンコレクション2010」(ネイミングがいい!)のラウンジで、その行列の長さに、並ぶのを断念…!その時視界に入ったのが、玉田工業(株)(石川県金沢市)の展示する「完全防水耐震地下収納庫」。

 ラーメンを食べる代わりに中に入ると意外にひんやりとしている。せいぜい、高さも幅も2~3メートルの大きさなのに、これぐらいの狭さが落ち着くのは、人間は広い視野の中で生活しすぎているからなのか、こういう包まれるような場所に、心地よいお籠り感を感じるのからなのか。

 災害時の収納庫としてはもちろんながら、趣味のスペースとしても設置する人もいるのだろう。ちなみに、今ならば、キャンペーン価格で、本体設計価格が180万円からだそうだ(プラス工事費として100万円程度)。
 同社はもともと、貯油タンクの製作請負工事などを目的として1950年に設立された企業。タンクのエキスパートが提供する、家庭用地下収納庫だ。ラーメンの代わりに、中で担当者と話し、少しばかり楽しんだ。

住宅のオプションに最適!「半身浴チェア」

 楽しんだといえばもう一つ。
 (株)愛康(東京都北区)のぽかぽか半身浴だ。「やすらぎ」が3台展示されており、中でも家庭に合いそうな木製のチェアに座り、半身浴を体感することに。こちらは、洋服を着たままできる半身浴用の家庭用チェアで、高い遠赤外線放射率を誇る「聖竜石ナノパウダー」が練りこまれ、シートの下から、両側面から、床から、正面から遠赤外線を浴びることができるもの。穏やかな暖かさで、ゆっくりと時間をかけて、体が芯から温まる。「聖竜石」とは、一般の岩石ではみられない微量金属元素のパナジウム、チタン、マンガンが豊富に含まれる鉱石で、この石を敷き詰めた岩盤ベッドもある。
 体を温めると免疫力も上がり、病気になりにくくなるというから、この時代、家の中でも体を温められる家具があるというのはありがたい話。住まいづくりは、健康づくり。温度差が自然とできてしまう一戸建住宅こそ、こういった健康器具が家の中にあると、心身が健康になりそうだ。

 気がつけば、ラーメンこそ食べられなかったが、ぐるりと会場内を一周していた。それぞれ、スペースごとにコンセプトを決めて、それに合わせた企業が出展し、サービスや商品を発信しているが、共通しているのは、“私たちの暮らし全般に関わっている”という点。
 人々は、いろいろな観点で、住まいそのものや、住まい方、暮らしの工夫等を考える。家は買ったり借りたり、建てたりするだけが大事なのではなく、大事なのはその後。それからどう「家」とともに、暮らしていくのか。心地よく、楽しく、経済的に、幸せに。住まいとともに人は、家族は成長していくのだ。そう感じさせてくれる展示会だった。だからこそ、週末は子供でも楽しめるたくさんのイベントが用意されていたのだと思う。(YUKIZO)

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。