記者の目

2015/2/6

銀座のどまん中にホテル誕生

歌舞伎座そば。地下鉄で都心主要都市へもあっという間

 銀座と言えば、有名百貨店が軒を並べ、国内外の一流ブランド店も集結するなど、華やかなまちである。この銀座のど真ん中ともいえる場所に、三井不動産がホテルをオープンした。それが、「ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京」(東京都中央区、客室数329室)だ。銀座の中心に誕生したハイクラスなホテルを紹介しよう。

「ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京」外観。銀座4丁目交差点、東京メトロの駅も歩いてすぐ
「ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京」外観。銀座4丁目交差点、東京メトロの駅も歩いてすぐ
左の写真がロビー。銀座の喧噪から一転、モダンクールな雰囲気に。右の写真はロビーに展示されているキモノデザイナーの斉藤 上太郎氏の作品
左の写真がロビー。銀座の喧噪から一転、モダンクールな雰囲気に。右の写真はロビーに展示されているキモノデザイナーの斉藤 上太郎氏の作品
ミキモト コスメティックスのコンセプトルーム「パールルーム」。照明は真珠がモチーフされたもの
ミキモト コスメティックスのコンセプトルーム「パールルーム」。照明は真珠がモチーフされたもの
クッションやピローにも真珠があしらわれている。贅沢…
クッションやピローにも真珠があしらわれている。贅沢…
「箔座 金箔ルーム」。「コレド室町」に出店している箔座とのコラボとは、三井不動産ならでは!
「箔座 金箔ルーム」。「コレド室町」に出店している箔座とのコラボとは、三井不動産ならでは!
これが話題の金箔マスク。1泊に1枚用意されるそう
これが話題の金箔マスク。1泊に1枚用意されるそう
歌舞伎座も目と鼻の先。観劇してその余韻をホテルの部屋で楽しむという使い方もできそう
歌舞伎座も目と鼻の先。観劇してその余韻をホテルの部屋で楽しむという使い方もできそう

◆4丁目交差点からすぐ、の立地

 和光、三越などが立地する銀座4丁目交差点からほど近い、5丁目に位置する同ホテル。建て替えにより生まれ変わった歌舞伎座も、すぐ目の前だ。東京メトロ「銀座」駅は徒歩2分、「東銀座」駅は徒歩1分。東京、新宿、渋谷、浅草などの主要エリアへのアクセスが良好で、羽田空港から30分、成田空港から70分という、訪日外国人にとっても至便という抜群の立地である。

 地上14階地下1階建て。外観は、「織」がコンセプト。帯を折り合わせたような外観で“銀座に伝わる江戸の「粋」”が表現されているそうで、近代的でありながら落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 客室を含めた内装デザインは、香港で活躍するデザイン事務所「CL3 Architects Ltd.」 を起用。ロビーはスタイリッシュでありながら、落ち着く空間に仕立てられている。なおロビーにはキモノデザイナーの斉藤 上太郎氏の作品が展示されており、オリエンタルモダンな雰囲気が演出されている。

 客室は、セントラルダブル、スーペリアツイン、コーナートリプルなど7種を用意。支援を要する人でも使いやすいよう、手すりなどを追加した「アクセシブル」タイプの部屋も、6室用意している。

 客室面積は20~37.7平方メートルとコンパクトだが、天井高が3mと高く、またバスルームがガラス張りであり、窓も大きくとられていることからか、窮屈さは感じない。窓から銀座の風景を楽しめる部屋も多く、室内での時間も楽しめそうだ。


◆「パールルーム」「金箔ルーム」を用意

 他業種とコラボレーションした2種類のコンセプトルームも、ユーザーの関心を呼びそうだ。
 一つは、真珠で有名なミキモト コスメティックスのコンセプトルーム「パールルーム」。ミキモトでは1899年、銀座に日本初の真珠専門店を開設した、ある意味銀座の象徴的な店舗でもある。
 パールルームでは真珠をイメージした照明や本物の真珠をあしらった小物、特製のバスケープタオルなどを用意。また高級コスメとして人気の高いミキモト コスメティックスの基礎化粧品を取りそろえ、自由に使えるようにしている。

 もう一つが、金沢伝統箔を製造する「箔座」とのコンセプトルーム「箔座 金箔ルーム」。室内は、金箔がちりばめられており、箔座コスメティックスやゴージャスな金箔マスク、金箔配合の入浴剤などが用意されている。

 高級コスメを使いながら、真珠や金箔に囲まれて一晩を過ごす。特に女性には忘れられない時間となりそうだ。

 客室料金(正規)は、2万5,000~5万8,000円(コーナートリプル3名利用時は6万1,000円。コンセプトルームは別の価格設定)。銀座エリアでは高め価格帯であるが、開業前から反響を得ているという。


◆開業1ヵ月。利用者の約半数は訪日観光客

 同ホテルは、世界24ヵ国で展開する「Millennium & Copthorne Hotels」(ミレニアム アンド コプトーン ホテルズ)を手掛けるホンリョングループ(シンガポール)との共同事業で、三井不動産が手掛ける「三井ガーデンホテル」とのダブルネームホテル。ミレニアムホテルでは、日本進出第1号だ。

  三井不動産では開業時、「ミレニアムホテルからの送客も期待する」とコメントしていたが、開業から1ヵ月、利用者の約半数が外国人観光客だという。立地、そしてこれだけの仕様を兼ね備えたホテルは日本でもそう多くはなく、この結果も当然だろう。

 銀座は、誰もが認めるハイクラスな、落ち着いたまちである。このまちの雰囲気に溶け込んだとも言える同ホテルが、激戦下のホテル業界でどのような位置を占めるか、注目したい。(NO)

***
【関連ニュース】
シンガポール企業とのJV。銀座中心地にホテル/三井不動産(2014/12/15)

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