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国土交通省、「21世紀の工務店経営実態アンケート調査」結果を発表

 国土交通省は、工務店の経営実態把握と各種木造住宅振興施策の基礎データ整備を目的に、2000年12月に設置した「工務店経営実態調査検討委員会」(委員長:藤沢好一・芝浦工業大学工学部建築工学科教授、事務局:(財)住宅保証機構)において「21世紀の工務店経営実態アンケート調査」を実施、その結果を発表した。

 調査は2001年1月9日~31日の間、(財)住宅保証機構に登録された建設業者43,000業者から無作為に抽出した12,008社を対象に行なわれた(有効回答数2,036社)。調査内容と結果の概要は以下の通り。

●工務店の概要について
 回答工務店の形態は株式会社が60.1%で最も多く、資本金は1,000万円~5,000万円未満が55.5%と最も多い。また、施工内容では一戸建注文住宅が86.6%を占め、その大部分が在来木造住宅を受注・生産している。年間施工規模は1~4戸が50.0%と比較的規模の小さい工務店が多い。

●経営の現状と事業展開の方向
 経営状態の自己認識は「うまくいっている」が16.2%、「普通」が53.2%、「悪い」が30.4%となっており、「悪い」と認識する工務店は95年の前回調査21.3%より増加している。事業展開の方向は「リフォームの受注」が68.4%で最も多く、具体的な展開では、FC、組合などグループへの加盟や性能に着目した商品メニューへの取り組みなどが特徴となっている。

●法律・公的制度への取組みについて
 消費者契約法への対応は「契約締結時に商品等に関して事実と異なることを告げないように注意している」との対応が51.5%と最も多いが、知らないとする工務店も10.3%あった。また住宅性能表示制度の認知度は高く、活用メリットは「顧客からの品質に対する信頼が高まる」が80.1%で、今後の当制度の普及が期待できる。

●木材の品質管理等について
 木材寸法に関する施主とのトラブルは「乾燥収縮によるトラブルがあった」が8.0%、「図面等の寸法表記と実寸法が違っていた」が3.8%あった。発注方法では「全て呼称寸法で発注している」が61.6%と最も多いが、今後の方針では「全て削りしろを見込んだ寸法で発注する」が26.5%と伸びており、現在トラブルの要因となりかねない、呼称寸法・ひき立ての概念から実寸確保への移行がうかがえる。

 なお、同調査の参考データは(財)住宅保証機構のホームページで6月18日より閲覧可能。


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