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三鬼商事、東京・大阪の12月度「オフィスビル最新状況」発表

 三鬼商事(株)は11日、2001年12月度の東京・大阪のオフィスビル最新状況レポートを発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区の12月末時点の平均空室率は4.03%(対前月比0.86ポイント増)で3ヵ月連続の増加となり、上昇傾向をみせている。
 2001年前半のオフィスビル市場はほぼ横ばいで推移したが、後半は景気後退が鮮明となり、2002年以降の市況の先行きが懸念されるようになった。
 新規供給量は、延べ床面積約232,000坪(前年比30,000坪増)で、前半の都心5区の平均空室率は3%台前半で推移し、各区の同空室率も2~3%台まで改善、エリアを問わず品薄感が強まり、大規模ビルや大型ビルの募集は順調で満室あるいは高稼動するビルが相次いだ。しかし、後半は募集面積を残すビルが増加、これは外資系企業やIT関連企業の動きが鈍ったことによる。
 賃料相場については、一時的に底入れ感が出たものの、景気減速とともにオフィス経費削減の要望が一層強まり、賃料を調整する動きが見られた。
 2002年の都心5区の新規供給量は、延床面積298,780坪と対前年比3割弱の増加となる。千代田区に8月完成予定の「丸ビル(延床面積48,399坪)」は全内定し、港区で6月完成予定の「仮称/六本木一丁目プロジェクト(同47,607坪)」、新宿区で秋頃に竣工予定の「西新宿6丁目南地区再開発(2棟/合計61,389坪)」など大型規模ビルの完成が相次ぎ、大型プロジェクトの完成が目白押しとなる。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の12月末時点の平均空室率は、秋以降の企業業績の悪化を映し、リストラに伴う解約の動きが強まったため9.48%(対前年同月比0.14ポイント増)となった。
 2001年の同空室率は、1999年より引き続き9%前半から後半で推移。景気後退でオフィス需要も伸びない一方、2000~2001年は延床面積約117,000坪の大型供給があり、空室在庫の解消が進まなかった。一方、新築ビルについては、IT関連などの成長企業の需要等が集まり、多くのビルが高稼動となった。しかし、既存ビルでは空室が長期間埋まらず、賃料相場の下落傾向にも歯止めがかからない状況となった。
 2002年の新規供給量は、供給棟数5棟の延床面積40,255坪(対前年比▲1万5,000坪)で、梅田地区が約9割を占めている。同年最大規模の供給となる9月竣工予定の「中之島三井ビルディング(延床面積21,577坪)」や、10月竣工予定の「仮称/DT計画(同14,399坪)が相次いで完成するが、新築ビルは不況下でも需要が旺盛のため、前年同様、満室あるいは高稼動となる見込み。


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