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CRES、J-REIT上場1周年を記念しシンポジウム開催

シンポジウム後半に行なわれたパネルディスカッションの様子

 不動産シンジケーション協議会(CRES)は、J-REIT上場1周年を記念し、シンポジウム「J-REIT:発展のシナリオ-上場1年を迎えて」を10月7日に開催した。

 同シンポジウムは、同協議会事務局長の巻島一郎氏の挨拶で幕を開け、続いて行なわれたリレー講演では、UBSウォーバーグ証券シニアアナリストの沖野登史彦氏、野村証券金融研究所シニアコンサルタントの川原淳次氏、立教大学大学院助教授の戸谷圭子氏の3氏がそれぞれ45分ずつ講演。
 壇上に立った沖野氏は、「J-REITのポテンシャルと今後の課題」をテーマに、市場規模の実状、投資口価格のパフォーマンスなどを説明しながら、今後J-REITがさらなる発展を遂げるべきに求められる課題を示唆。
 また、金融マーケティングを専門とする戸谷氏は、「個人投資家から見たJ-REIT像の現実」と題し、市場拡大のために必要なマーケティング戦略を導き出すべく実施したインタビュー調査結果、分析結果を発表した。それによると、当面の課題はターゲットとすべき層に対し、J-REITという商品への興味を喚起して「情報収集してみよう」と思わせることにある。そのためには、困難ながらもJ-REITを運用商品として「カテゴリー化」し、どういった価値を提供するかなどの「ヴァリュー」を定義することで、コミュニケート手段等を明確にしていくことがマーケティング戦略として有効であるなどと述べ、今後のJ-REIT発展を占ううえで、大変興味深い講演内容となった。
 その後、前述の沖野氏をコーディネーターに、銀行員時代に東京市場屈指のディーラーとして名をとどろかせた(株)フジマキ・ジャパン代表の藤巻健史氏ら5名を迎え、「変わる金融と、これからのJ-REITのマーケティング」をテーマにパネルディスカッションが行なわれ、日本経済再生のために必要な施策など、活発な意見交換がなされた。なお、1,100名収容可能の会場はほぼ満席で、参加した傍聴者たちは熱心に耳を傾けていた。


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