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国交省、「『二地域居住』促進等のための『空き家』の活用に関する調査結果について」発表

 国土交通省は7日、「『二地域居住』促進等のための『空き家』の活用に関する調査結果について」を発表した。

 同調査は、都市と農山漁村の「二地域居住」等を促進するためには、地域圏において都市部の住民が中長期間滞在できるための体制整備を図ることが重要であるという趣旨で実施されたもの。空き家の所有者へのアンケート調査により、空き家所有者の貸出に関する意識等を把握するとともに、空き家の活用事例についても調査した。
 2003年に実施された「住宅・土地統計調査」(総務省統計局)によると、空き家は全国で約660万戸、そのうち地方圏は約326万戸とほぼ半数を占め、着実に増加している。

 地方公共団体などの協力を得て空き家の所有者にアンケート調査を実施したところ、189人へのアンケート配布に対して85人分の有効回答が得られた。
 これによると、空き家を貸しているのは6人。貸している理由は「空き家にしておくと老朽化が進むから」(4件)という回答が多く、「賃借料を得たいから」(1件)という回答は少数だった。借り主は、他の市町村から移り住んできた定住者が4名、「二地域居住」利用者は2名だった。

 空き家を貸していない人の今後の意向は、約8割の人が「貸すつもりはない」という結果となった。空き家を貸さない理由としては、「時々使用するから」(47件)、「仏壇等の家財をおいているから」(29件)という理由が多く、時々利用する理由としては、大半の人が「盆や正月、法事などのために空き家のままにしておきたい」と回答している。
 貸すための条件は、「入居者が安心な人か、事前にわかるなら」(11件)、「自分が使わない期間に限定して貸せるなら」(8件)といった回答が多くなっている。
 調査では、以上のことから、家主にとっての積極的に空き家を貸すための動機が不足していることが浮き彫りになったとしている。

 さらに空き家の活用事例を調査し、NPO法人・団体による活用事例(メンバーシップ・滞在型、地域・観光資源型)、不動産会社による活用事例(ビジネス型、町並み改修・保全型)、空き家の活用のための調査・研究事例として、大きく3分類した。

 同調査では、今後、二地域居住を促進するための課題として、空き家保有家主の都合を考慮することができる空き家活用のしくみづくり、空き家を地域資源として活用しているNPO法人・団体への支援方策、空き家の活用のための改修等の補助のあり方、各自治体が既存住宅ストック空き家を把握し、利活用することを促進する施策を列挙した。

 調査の詳細については、国土交通省のホームページを参照のこと。


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