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「景観形成の経済的価値分析に関する検討報告書」などを公表/国交省

 国土交通省は15日、「景観形成の経済的価値分析に関する検討報告書」および「建築物に対する景観規制の分析手法について」を公表した。

 近年、地方公共団体では良好な景観の形成の促進のため、建築物の形態意匠、高さ等の規制の導入を行なう事例が増加していることから、(1)こうした規制により形成される景観価値を分析・評価する方法(2)個々の建築敷地において、建築物の高さ制限により形成される景観価値と失われる利益を分析する手法について取りまとめたもの。


 「景観形成の経済的価値分析に関する検討報告書」では、景観の変化を構成要素ごとに分解し、各要素を定量的な指標として表現する方法を検討する「景観の評価指標の検討」のほか、景観形成に伴う土地資産価値の増加分で便益を計算する「ヘドニック法」による分析を実施。住宅地では生垣や街路樹など、視界に占める緑が多い場合、商業地では派手な広告物や建築設備の露出が少ない場合などが、一定地価の形成に影響を及ぼしているとした。
 「建築物に対する景観規制の分析方法手法について」では、市街地におけるマンション等の建設に伴う建築紛争の防止を目的とした「絶対高さ制限」の効果に付いて、「ヘドニック法」による分析方法を検討。これによると規制内容や土地の条件によって、「絶対的高さ制限」はプラス、マイナス両方の効果が現れることが判明。建築物に対する景観規制の導入の可否やその対象・内容・程度を検討するにあたって、規制によるプラス、マイナス両面の効果について、できる限り比較分析し、バランスのとれた規制内容とすることが必要との見解に至った。
 


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