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「六会コンクリート」使用建築物、適切な改修等条件に事後認定へ

 国土交通省は27日、JIS規格不適合となる六会コンクリート(株)使用の建築物について、データの確認と適切な改修、経過観察を条件として、建築基準法適合物件として事後認定する方針を、特定行政庁に通知した。

 同社のレディーミスクトコンクリートは、JIS規格で使用が認められていない溶融スラグ骨材が使われているため、これを使用した建築物は建築基準法違反となる。同省は、問題発覚後、「JIS規格不適合コンクリートを使用した建築物の対策技術検討委員会」(委員長:桝田佳寛・宇都宮大学教授)を設置。同コンクリートの耐久性や構造安全性、補修方法等の検証を実施。26日に中間報告を受けた。

 同報告では、「同コンクリートのポップアップ等の影響は、外装材脱落等に対する安全性を除き、建築物の構造耐力等に関する安全性や耐久性に大きな支障を及ぼす可能性は少ない」とし、「適切な改修および経過観察が行なわれれば、継続使用は十分可能」とされた。

 そのため同省では、同コンクリート使用物件について、物件ごとに試験データ等の技術的検討結果を確認したうえで、適切な改修及び経過観察を条件として、建築基準法上の大臣認定を行なう方針を打ち出したもの。

 なお、同コンクリートを使用したことによる建築基準法違反となった物件数は、8月27日現在69物件に達している。


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