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09年首都圏ワンルーム利回り、中古は2年連続の上昇/東京カンテイ調査

 (株)東京カンテイはこのほど、首都圏における「2009年投資用ワンルーム利回り」の調査結果を発表した。

 09年1~9月のワンルーム表面利回りは、新築で4.46%(前年:4.49%)と7年連続下落。中古は8.16%(同7.77%)と2年連続上昇となり、新築・中古の差が広がる結果となった。
 新築ワンルームは05年頃から地価高騰による価格の上昇を嫌い、徐々に供給立地の都心離れが進んだ。しかし、郊外エリアでの賃料水準は相対的に低く、都心部より交通利便性や収益性に劣る立地で一定の利回りを維持するのは難しい状況。ミニバブル崩壊後は急速に都心回帰し始めているが、利回りの回復に結びつくかは価格次第となっている。
 一方、中古ワンルームは、「新築に比べ安価」「高賃料が得られる都心立地」「8%超の利回り」が評価され、新築に替わり不動産投資ニーズの受け皿となっている。

 また、09年1~9月の新築ワンルーム供給戸数は前年同期比93.8%の3,969戸で、年間では5,000戸をやや上回る見通しとなった。
 09年における東京23区のシェアは再び拡大して79.2%、前年同期比では東京23区で約15%増加したのに対し、それ以外のエリアでは軒並み40~60%程度減少した。これは、08年のリーマン・ショック以降、厳しい不動産投資環境下で新築ワンルーム供給戸数を絞り込まざるを得ない状況にあって、高い賃料水準で良好な収益力が見込まれる都心部が再び供給立地として選別されていることを意味している。
 同社では、今後大手ディベロッパーの市場参入も本格化することから、新築ワンルーム供給立地の都心回帰を含め、ワンルーム市場に比較的大きな変化が発生する可能性がある、としている。


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