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「めやす賃料表示」普及へ。消費者目線の賃料表示で紛争をなくす/日管協

新たな賃料表示制度「めやす賃料表示」ロゴマーク

 (財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)は24日、消費者が賃貸借期間中に支払うべき金額をわかりやすく表示する、新たな賃料表示制度「めやす賃料表示」を発表した。

 めやす賃料表示とは、賃料、共益費・管理費、敷引金、礼金、更新料を含み、賃料等条件の改定がないものと仮定して4年間賃借した場合の1ヵ月当たりの金額。
 
 これまで、賃貸住宅の賃貸借契約にあたっては、敷金・礼金、更新料など全国各地で商慣習が異なり、実際に消費者が入居期間中に支払う費用がわかりにくいことなどから、トラブルが発生していた。

 そこで、同協会法務研究会では、商慣習や賃料体系等が異なる状況下でも、消費者がわかりやすく比較しやすい賃料表示のあり方について、2009年9月より研究を開始。各行政機関や公正取引委員会をはじめ、地方や現場の意見も聞いて回るなどして調整を重ねてきたもの。

 同表示制度を導入すれば、例えば同じ賃料でも、礼金、敷金、更新料、フリーレントなどの有無により異なってくる入居期間中にかかる費用を、簡易に比較することができる。
 具体的には、募集チラシやウェブ広告、物件情報誌などにおいて、「めやす賃料」を表記していく考え。

 同表示制度の導入に当たり、すでにエンドユーザーや不動産会社においてモニタリングを実施しており、「わかりやすい」「比較しやすい」と好評を得ているという。

 今後、同協会では「めやす賃料表示推進室」を設置し、まずは会員各社に周知徹底を図るほか、オーナーセミナーなどにおいても告知していき、普及を図っていく方針。また、協会の枠を超え、他の不動産業界団体にも利用を呼びかけていく考え。

 すでに大手不動産ポータルサイト各社の協力も取り付けており、ウェブサイト上の不動産広告においては10年10月中より表示する。

 なお、同協会会員が管理する賃貸住宅は合計で約400万戸。順次、物件募集時に同表示制度を導入していく。


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