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分譲事業において収益性が低下、減収減益に/三井不動産11年3月期第1四半期決算

 三井不動産(株)は29日、2011年3月期第1四半期決算の説明会を開催した。
 
 当期(10年4月1日~6月30日)の連結売上高は2,828億5,600万円(前年同期比▲9.2%)、営業利益は183億5,800万円(同▲48.5%)、経常利益は130億1,000万円(同▲55.0%)、四半期純利益は44億8,600万円(同▲72.1%)となった。

 賃貸セグメントにおいては、前期に開業した「三井ショッピングパーク ららぽーと新三郷」(埼玉県三郷市)や今期に開業した「三井アウトレットパーク 札幌北広島」(北海道北広島市)など、新規および通期稼働物件の収益寄与があったものの、既存オフィスビルにおける空室率上昇などの影響などもあり、売上高1,038億7,200万円(同▲40億8,400万円)、営業利益237億3,700万円(同▲6億4,900万円)と減収減益となった。
 オフィス賃貸市場全体において、空室率の上昇傾向が継続しているが、都心好立地のビルには一部改善の兆しもみられ、同社の首都圏オフィス空室率は4.1%(10年3月末:3.9%)と引き続き低水準となっている。

 分譲セグメントにおいては、個人顧客向け住宅分譲の計上戸数が、前年同期において、例年に比べ多かったことの反動に加え、収益性の高い大規模物件の比率が低下したため、売上高591億4,600万円(同▲265億5,100万円)、営業損失19億1,000万円(同▲177億1,300万円)と減収減益となった。
 マンション分譲における当第1四半期末での契約進捗率は、市場での好調な販売状況を受け、すでに約55%まで進捗、中高層分譲(マンション)の完成在庫は808戸(10年3月末:872戸)。

 マネジメントセグメントにおいては、商業施設の新規稼働や賃貸住宅の管理戸数の増加などにより、プロパティマネジメントが増収増益したことに加え、仲介・アセットマネジメント等では、主に個人向け仲介事業で、取扱件数が前年同期に比べ増加したことなどにより、売上高669億5,900万円(前年同期比21億1,100万円増)、営業利益74億4,500万円(同5億7,100万円増)と増収増益となった。

 説明会において同社経理部長の弘中 聡氏は「オフィスの賃料においては歯止めがかかり、新規賃料も底打ち感がある。特に立地のよいS・Aクラスビルについては横ばいの状況であり、空室率の回復は今年中には見込めるものと期待している。また、戸建て分譲事業は、リーマンショック以降、競合が減ったこともあり、非常に好調な状況となっている」などと語った。

 通期については、変更はなく売上高1兆4,400億円、営業利益1,210億円、経常利益950億円、当期純利益500億円を見込んでいる。


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