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住宅診断報告書作成システムを発表、3月から運用開始/JSHI

 第三者によるホームインスペクション(住宅診断)の普及とホームインスペクターの育成を手がけるNPO法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)は23日、報道陣に対し「住宅診断報告書作成システム」の概要を発表した。

 同システムは、国土交通省が実施する2009年度の「長期優良住宅先導的モデル事業」として採択されているもので、住宅診断項目を統一し、報告書をASP化、パソコンのブラウザソフトを利用して住宅診断報告書を作成できるようにしたもの。作成時に入力される診断コメントや劣化事象の画像データは自動的に蓄積され、会員相互で共有、診断コメントを検索・参照できる。データの入力にあたっては、同協会が予め用意した「推奨診断コメント」を利用することで、入力作業の手間を軽減する。

 診断結果実例が蓄積されることで、築年数や構造別による住宅劣化傾向の分析、統計調査などが可能になり、住宅設計や施工、メンテナンスに関わる提言や、住宅取得者への住宅購入時の注意点といった情報提供に活用できる。

 データの入力が伴う報告書の作成は、同協会が実施する認定試験に合格した公認ホームインスペクター(認定会員約280人)に限定。ただし、認定会員が所属する企業などの組織内でもレポートの閲覧や事例検索は利用できる。

 説明にあたった同協会理事長の長嶋 修氏は、同システムの最大の効果として、データが蓄積されていくことを挙げ、「例えば、10~15年後に住宅部材がどう変化していくのか、経年変化の傾向を定量的につかむことができる。蓄積したデータを新築住宅の設計や修繕にフィードバックしていきたい」などと述べた。

 なお、運用開始は3月1日を予定しており、順次会員に利用を呼びかけていく方針。


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