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2010年10月~11年1月の高度利用地の地価動向、下落が鈍化傾向/国交省地価LOOKレポート

 国土交通省土地・水資源局地価調査課は24日、「地価LOOKレポート」(2010年第4四半期)を発表した。

 同調査は、主要都市の高度利用地等の地区について四半期ごとに地価動向を把握することにより、先行的な地価動向を明らかにするもの。今回の対象地区は、東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方圏32地区の計150地区。

 当期(10年10月1日~11年1月1日)の全体の地価動向は、全150地区のうち80地区(53%)が下落しているものの70地区(47%)が上昇・横ばいとなり、前回に引き続き総じて下落の鈍化傾向を示し、特に住宅系地区を中心に、地価下落基調からの転換傾向がより明らかとなった。

 三大都市圏(118地区)では、上昇地区が前回の2地区から15地区に増加。東京圏で4地区、大阪圏で5地区、名古屋圏で4地区増加した。
 地方圏(32地区)では、前回はなかった上昇地区が1地区現れた(「博多駅周辺」)。

 用途別では、住宅系地区(42地区)のうち、上昇地区が11地区(26%)、横ばい地区が24地区(57%)となり、上昇・横ばい地区(計35地区)が下落地区(7地区)を大きく上回った。
 商業系地区(108地区)においては、上昇地区が前回の1地区から5地区に、横ばい地区が前回の29地区から30地区に、下落地区が前回の78地区から73地区となり、前回調査に引き続き下落地区が過半(68%)を占めるが、上昇・横ばいを示す地区が増加した。なお、6%以上の上昇を示す地区が07年第4四半期以来3年ぶりに現れた(名古屋市「金山」)。

 同レポートでは、今回、上昇地区が増加した背景には、(1)住宅系地区において各種の住宅取得優遇施策の効果が引続き見られ、マンション用途取得の動きが活発化したこと、(2)商業系地区においては、一部の主要駅周辺で繁華性への期待(川崎市「武蔵小杉」、「京都駅周辺」、京都市「烏丸」、「博多駅周辺」)や商業地におけるマンション用地の高値取引が見られたこと(名古屋市「金山」)などが挙げられる。

 詳細は、同省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/report/press/land04_hh_000052.html)を参照のこと。


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