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菜園付き賃貸住宅「AURA243 多摩平の森」、団地型シェアハウス「りえんと多摩平」が竣工

菜園付き賃貸住宅「AURA243 多摩平の森」の1階にある「ヤードハウス(専用庭つきタイプ)」の建物外観と専用庭
団地型シェアハウス「りえんと多摩平」の1階共用スペース。キッチンやダイニングテーブルを囲み交流を図る
団地型シェアハウス「りえんと多摩平」1階玄関部分の外観

 (株)リビタ、(株)たなべ物産、(株)ブルースタジオの3社は6月29日、「多摩平の森」(東京都日野市)で進めてきた住棟単位での団地再生事業「ルネッサンス計画2」のうち、菜園付き賃貸住宅「AURA243 多摩平の森」、団地型シェアハウス「りえんと多摩平」について竣工内覧会を開催した。

 ルネッサンス計画は、UR都市機構が取り組む、建て替えという手法に限らない、賃貸住宅棟の有効活用のための実験的な試み。ハード面で改修技術開発を実験した「ルネッサンス計画1」(ひばりが丘団地)での成果を踏まえ、「ルネッサンス計画2」(多摩平団地)では、全5棟について公募で選定された民間事業者3者(東電不動産(株)、たなべ物産(株)、(株)コミュニティネット)が建物を賃借、改修して活用を図る計画として進められている。

 「AURA243 多摩平の森」(事業主:(株)たなべ物産、企画・建築設計監理:(株)ブルースタジオ)は、1棟を菜園・庭付き集合賃貸住宅に再生したもの。1階部分は健康で元気なシニア層向けの「ヤードハウス」(専有面積42.3平方メートル+専用庭52平方メートル、間取り1LDK)6戸、2~4階は30歳代のDINKSや未就業児童のいる夫婦向けの「ひなたぼっこハウス」(専有面積42.3平方メートル、間取り1LDK)18戸で構成。また、デンマークのコロニへーヴの発想から生まれた貸し菜園と小屋付き専用庭群を取り入れ、土とふれあい収穫する喜びを通してつながりを感じられる住環境を用意し、希望者に貸し出す。空地をいかし東屋とバーベキューサイトを設けた「AURAハウス」では住人以外も広く参加可能なイベントの開催を企画し、周辺の住人やこの地を訪れる人々にまでコモンの領域を拡張させていく方針。賃料は月額8万8,500~11万3,500円。貸し庭は月額7,500円~。
 
 「りえんと多摩平」(事業主:東電不動産(株)、統括設計監理:(株)リビタ、建築設計監理:(株)ブルースタジオ)は、計142室2棟を団地型シェアハウスとして活用するもの。専有面積9.10~11.68平方メートルの1R。そのほか、共用のキッチン、シャワーブース、ウッドデッキなどで構成されている。2011年3月から入居を開始しており、1棟は、中央大学が学生寮として一括借上げしている。賃料は月額4万2,000~5万4,000円。

 両物件の建築設計監理を担当した(株)ブルースタジオ専務取締役の大島芳彦氏は「都市公園の役割を持つ団地を再生するため、地域の人も広く使える計画とした」と語った。

 今後は全街区5棟の竣工・入居後、11年10月に地域住民を招いてのまちびらきを予定している。


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