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工期・コスト大幅に削減する地盤補強工法を新開発/住友林業

「STパイル工法」の施工風景
同工法に用いる「テーパー鋼管杭」。先端を細くすることで、地盤へ回転圧入する時のエネルギーを低減。従来よりも少ない杭数で建物への支持力を得るのが特徴

 住友林業(株)は21日、軟弱地盤地域における戸建住宅などの小規模建築物の地盤補強の新工法「スミリン・テーパー・パイル工法(以下、STパイル工法)」を開発したと発表した。

 「STパイル工法」は、同社が特許出願している地盤補強工法技術をもとに、新日本製鐵(株)と共同で開発したもの。先端を細くした「テーパー鋼管杭」により地盤へ回転圧入する時のエネルギーを低減。従来よりも少ない杭数で建物への支持力を得るのが特徴。

 従来のストレート杭は、硬質地盤(支持層)まで打つため杭が長くなり、複数本の杭を必要とする。テーパー杭はストレート杭の1.5倍以上の周面摩擦抵抗により、基本的に1本の杭で建物を支持できる。また、施工時に周辺の地盤を締め固める効果もある。大型物件で40本の杭を打つ工事の場合、おおむね工期を半分に短縮、トータルコストは3分の2に削減ができるという。液状化を抑止する可能性については、まだ未検証のため、今後の研究課題としている。

 2005年より地盤補強工法の研究開発に携わってきた、同社筑波研究所建築住まいグループの佐藤 隆氏は、同日の会見で「地盤条件などを満たす場合、同社の住宅に積極的に採用し、顧客にメリットを提供していく」などと語った。


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