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全国最大規模のマンション建て替え「ブリリア多摩ニュータウン」、来年1月発売へ

「ブリリア多摩ニュータウン」完成予想図。日本最大級の建て替えプロジェクトで、総戸数は倍増する。既存樹が約6
900平方メートル残された、緑豊かな環境がウリ
2世帯同居を意識したモデルルーム内部。生活リズムの違う両者のため、高齢者居室の横に「セカンドリビング」を設置している

 東京建物(株)は、東京・多摩ニュータウン内の「諏訪2丁目団地」建て替えプロジェクトとして進めてきた分譲マンション「ブリリア多摩ニュータウン」(東京都多摩市、総戸数1,249戸)の販売を、2012年1月から開始する。14日、モデルルームが報道陣に公開された。同ニュータウン内で初、かつ全国最大規模の建て替えプロジェクトとなる。

 建て替え前の「諏訪2丁目団地」は、日本住宅公団により分譲された、敷地面積約6万4,000平方メートル、鉄筋コンクリート造5階建て23棟、640戸の団地。同ニュータウンで最も早い1971年より入居が開始されたが、建物や設備の老朽化、空室の増加、住民の高齢化などといった問題が生じたことから、建て替え計画が浮上していた。 

 東京建物は2007年に事業協力者として選定された。10年に「マンション建替え円滑化法」に基づく事業スキームを基本に、建て替え決議が成立。現在の余剰容積を活用し、全7棟、地上11・14階建てのマンションを建設。同社は参加組合員として、保留床の684戸を取得、一般分譲することで、現住戸所有者に建設費を負担させない。

 開発テーマは「共生」「永続」「環境」。40年以上にわたり育まれてきた敷地内の樹木約6,900平方メートルを保存。散策路として整備する。高齢の既存住民と若い新入居者とのコミュニティを活性化するため、菜園やコミュニティカフェ、ドッグランなどを設置する。また、太陽光発電による共用部電源供給、電動自転車シェアリング、屋上緑化・壁面緑化、専有部共用部へのLED照明導入など、環境に配慮する。

 従前、2DK・48平方メートルだった住戸は、2LDK~4LDK、専有面積43~101平方メートルとバリエーションが増える。従前居住者のニーズなどをもとに、2世帯同居を考えた「セカンドリビング」プランなどを導入しているのが特徴。

 販売予定価格は、2,600万~4,700万円台。最多価格帯3,400万円台。9月中旬のホームページオープンから、10月末までに1,200件の事前反響を得ている。モデルルームオープンは、12年1月中旬。販売開始は同3月を予定している。
 
 モデルルーム公開に際し会見した同社住宅事業本部住宅事業第2部長の菊池 隆氏は「この建て替えプロジェクトは、住民の方々が20年以上にわたり、これからの住まいの在り方を真剣に議論し、東京都や多摩市のバックアップも受けながら実現したもの。ブリリアのノウハウを最大限につぎこみ、次世代につながるマンションとしたい」などと抱負を述べた。

 また当日、同物件のイメージキャラクターを務めるタレントの山口智充氏がゲストとして登場。「広大な敷地と、豊かな緑にまずびっくりした。僕ら大人がわくわくするような森が残されるようだし、元からお住まいの方々と新しい住民とが共存するまちというコンセプトもいい。多世代が交流することで初めて分かることもあるし、住民同士が意識し合うことで、どんどんいい環境になっていくと思う」などと語った。


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