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モデルルーム接客改善に「デジタルサイネージ」導入/大京

今回導入した「デジタルサイネージ」端末。「蔵前」のモデルルームは、ビルの上下2フロアに分かれているため、それぞれに1台づつ設置している
デジタルサイネージの画面は46インチと大型で、スマートフォンやタブレット端末同様に、タッチした指をスライドさせたり、つまみあげることで、画面を拡大・回転させていくことなどが可能
構造説明の画面。モデルルームの構造模型では断面からの形状しか確認できないが、3D画面を回転させることで、あらゆる角度からチェックできる

 (株)大京は、モデルルームでの接客にタッチパネル式の「デジタルサイネージ」による情報提供システムを導入していく。15日、第1弾となる「ライオンズマンション蔵前レジデンス」(東京都台東区、総戸数82戸)で報道陣に公開した。

 「デジタルサイネージ」とは、大型のディスプレイにネットワークを通じ情報を発信するもので、一方的な情報発信ではなく、ユーザーが画面をタッチすることで、さまざまな情報を引き出せる双方向性に特徴がある。

 一般的なモデルルームでの接客営業は、営業担当が順路に沿ってパネルや映像資料などで立地や構造、設備仕様などを説明していくことが多いが、この手法だと、ユーザーの情報ニーズの多様化や、接客時間の短縮化などに対して臨機応変に対応ができない。そこで、ユーザー一人ひとりが自由に必要な情報を引き出せるデジタルサイネージの導入で、顧客満足度を引き上げ、営業社員数の減少、マンションギャラリースペースの縮小などを通じ、営業コスト削減も図る。

 同社が導入するデジタルサイネージは、オリックス(株)とソフトバンククリエイティブ(株)が共同開発したもので、縦2m×横1m。ディスプレイは46インチ。個別案件ごとにリースする。「蔵前」には2台導入。すでにその他2物件への導入も確定しており、今後もビルインタイプなどモデルルームスペースに限りがある物件などに積極的に導入する。

 スタート時のコンテンツは、周辺・沿線情報、モデルルームガイド、構造説明、セキュリティ説明など。従来模型に頼っていた構造説明は、3D画面を自由に回転・拡大しあらゆる角度から見ることが可能。また、セキュリティ説明は、実際の動作を確認できる。モデルルームのカラーバリエーションは部位ごとに瞬時に変えられ、「ウォークスルー機能」により、実際に部屋を歩いて見て回っている感覚が体験できるほか、モデルルームにない間取りも再現できる。コンテンツは、随時追加でき、無線LAN環境でスマートフォンやタブレット端末との同期も可能。

 今回の試みについて、大京首都圏第一支店執行役員支店長の世利幸仁氏は「当社は昨年4月、お客さまに選ばれる新しい不動産サービス事業の構築を目指す『イノベーション2020』を立ち上げ、10以上のプロジェクトチームが新事業を模索している。今回の試みもそこから派生したもの。この営業手法が確立されれば、パンフレットがいらない時代が来る。今後は、他社のモデルルームづくりにも提案していくことで、新たな収益源としても期待できる」などと語った。 

 なお、「ライオンズマンション蔵前レジデンス」は都営浅草線「蔵前」駅徒歩1分に立地する、地上12階建てのマンション。住戸は1DK~3LDK、専有面積30~67平方メートル。3月から販売を開始し、坪単価255万円、最多価格帯4,400万円台を予定。


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