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相模原市で消費電力の65%を自給する賃貸マンション竣工/レモンガス

「ALFY橋本」外観
屋上に設置された「LPガスコージェネレーション」システム(写真左)と「バックアップボイラー」(同右)
同じく屋上に設置された太陽光発電パネル。同システムとコージェネレーションシステムのエネルギー供給により消費量の約65%をまかなう

 レモンガス(株)(神奈川県平塚市、代表取締役社長:赤津欣弥氏)は28日、エネルギー自立型賃貸マンション「ALFY(アルフィー)橋本」(神奈川県相模原市、総戸数15戸)を竣工。内覧会を開催した。

 同社は、家庭用・業務用LPガスの製造・販売などを主要業務とし、首都圏を中心に全国で約45万世帯の家庭にガスを販売。また、LPガスエンジンで湯と電気を作り出すコージェネレーションシステムの設備施工などを実施している。

 今回竣工した「ALFY橋本」は、LPガスコージェネレーションを核とした「スマート・ハイブリッド・マンション」第1号となる賃貸マンションで、設備設計・施工を同社が、建築設計・施工を積水ハウス(株)が担当している。

 建物は、地下1階地上6階建て。地下1階には貯水槽を用意、災害時に備え飲料水8tの貯水を可能とした。1階は体験型ショールーム、2階はコミュニティスペース(一部住居)、2~6階は居住スペースとした。
 すべての住戸は家具・家電付きで、間取りは1LDK(専有面積48~50平方メートル)。屋外には排熱を利用した足湯も設置している。

 エネルギー創出のための設備としてLPガスコージェネレーション107kWを2台、太陽光発電システム8.3kW、リチウムイオン蓄電池(常用・停電対応兼用)12kWを2台、エネファーム1台、GHP(ガスヒートポンプエアコン)20馬力を1台設置。これらの設備によりマンション全体のエネルギー消費量の約65%を自給することができる。

 そのほか、同物件の居住者や近隣に住む人を対象にカーシェアリングシステムを導入。発電した電力をカーシェアリングに用いられる電気自動車の充電に利用することも可能とする。

 なお、同物件は「実証実験を兼ねているため、収益性を主眼においていない」(赤津一二会長)としており、賃料は月額8万~9万円程度とする予定。

 赤津欣弥社長は、「この度竣工したALFY橋本のほかに、系統電力に頼らないエネルギー自立型戸建住宅も目黒区に完成させている。また、より大きな規模となるマンション“ALFY川越”も計画中であり、災害時におけるLPガスの可能性を周知させていきたい」等と語った。


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