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首都圏新築マンション収益性ランキング、郊外駅が躍進/東京カンテイ調査

 (株)東京カンテイは30日、三大都市圏主要駅・主要エリアの「2012年新築マンションPERランキング」を発表した。「マンションPER」とは、マンション価格が同じ駅圏の分譲マンション賃料の何年分に相当するかを指数化したもので、マンション価格を月額賃料の12倍で割って算出。PERが低ければ収益性が高く、高ければ収益性は低くなる。

 同年の新築マンションPERは23.83で、前年の23.75からわずかに低下した。マンション平均価格が下落したものの、賃料も下落したため。PERが最も低い(収益性が高い)駅は、東京メトロ千代田線「明治神宮前」駅の14.66で、首都圏平均23.83を9.17ポイント下回った。定期借地権物件の分譲による価格低下で収益性が高くなったもの。

 今回のランキングでは、2位の「八潮」(15.85)や5位の「多摩境」(16.90)など、分譲価格が2,000万円台~3,000万円台前半の準近郊、郊外に位置する駅が多く登場したのが特長。月額賃料が15万円未満でも安価な分譲価格によって良好な収益性を保ち、マンションPERが低く抑えられているのが要因。

 一方、PERが最も高かったのは、京王線の「仙川」駅の35.24。「六本木一丁目」(5位、33.17)「鎌倉」(11位、31.75)「浜田山」(13位、31.35)など、住宅地としての環境や住みやすさを考慮し、購入して居住することを前提としたエリアが数多くランクインした。

 なお、下位20駅のPERはいずれも30を超え、回収期間が首都圏平均から7年分以上も上回っており、これらの駅では、賃料見合いでの分譲価格は割高となる。


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