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中国の不動産住宅価格、3月に史上最高値を更新。住宅バブル懸念再燃/ニッセイ基礎研究所

同研究所が、CEIC(中国国家統計局)のデータを基に、各都市の新築住宅販売価格を2006年12月=100として指数化して単純平均したもの

 (株)ニッセイ基礎研究所は19日、「中国経済:最近の住宅価格の動き」と題したレポートを発表した。中国国家統計局が18日に発表した、2013年3月の70大中都市の住宅販売価格変動状況を分析したもの。

 70都市の動向について、上昇率(前月比)は沿海部に位置する大都市を中心に上昇。最も大きく上昇したのは上海市(前月比3.2%)で、以下、深圳市(広東省、同2.8%)、北京市(同2.7%)と続いた。一方、下落したのは温州市(淅江省)だけだった。
 上昇率(前年同月比)では、北京市と広州市が11.2%で1位となり、深圳市が9.1%で第3位と今年の名目成長率(見込み)を上回る勢いに。一方、下落した2都市はいずれも淅江省の都市で、温州市が9.8%、寧波市が3.5%であった。

 中国国家統計局が発表したデータを基に、前月比で価格が上昇した都市の数から下落した都市の数を引いたネット都市数を計算したところ、12年5月までマイナス超過だったネット都市数は、同年6月にプラス超過に転換。その後は一進一退ながらも徐々にプラス超過の数が増え、13年3月には67に上昇していることが分かった。住宅価格の上昇が全国各地に及んできたと分析している。
 また、CEIC(中国国家統計局)のデータを基に、各都市の新築住宅販売価格を06年12月=100として指数化して単純平均したところ、12年5月をボトムに緩やかに上昇し始めた住宅価格は、13年1月には過去最高値(11年6月)を上回り、3月も史上最高値を更新していることがわかった。同研究所は、「住宅バブル懸念が再び高まっており、今後の不動産規制の行方が注目される」としている。


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