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イケアとコラボ、横浜市内4ヵ所のUR賃貸を改修/UR都市機構

「左近山団地」モデルルームのLDK。二人世帯に合うコンパクトなキッチンを採用。元々キッチンとダイニングの間にあった建具を取り外し、一続きにすることで空間を有効活用した
「左近山団地」モデルルームの和室の押し入れは、ふすまなどを取り外し、壁・床の表面材を変更したうえ、イケアの収納ツールを用いてウォークインクローゼット化
「霧が丘グリーンタウン」モデルルームは白を基調に、キッチン等の赤をポイントにコーディネート。リビングは、レンガ風のアクセントクロスを採用した

 (独)都市再生機構(UR都市機構)神奈川地域支社は6日、世界最大級のホームファニッシングカンパニー・イケアと共同で、横浜市内の4団地・13戸のUR賃貸住宅を改修するプログラムを発表。モデルルームを報道陣向けに公開した。

 同支社では、2013年1月よりイケアが家具などのコーディネートなどをしたモデルルームを公開。入居者にはイケアがインテリアサポートを行なうプログラムを展開してきたが、新たにインテリアコーディネートに加え、キッチンやカラーコーディネートなどの住宅改修にまで踏み込んだ。

 導入する団地は、「左近山団地」(横浜市旭区、総戸数2,104戸、1968年築~)の3戸、「霧が丘グリーンタウン」(横浜市緑区、総戸数848戸、81年築~)の5戸、「港北ニュータウン」(横浜市都筑区、総戸数372戸、93年~)の2戸、「ベイシティ本牧南」(横浜市中区、総戸数572戸、98年~)の3戸。

 団地ごとに内装デザインを設定。当日公開した「左近山団地」(50平方メートル、2LDK)は、夫婦二人世帯を想定し、ホワイトを基調に北欧風の白木のフロアタイルを採用。和室の押し入れはふすま、中段を取り外し、ウォークイン収納として提案。キッチン、洗面台はシンプルながら使いやすいものに刷新した。

 「霧が丘グリーンタウン」(78平方メートル、3LDK)は、双子の小学生がいるファミリー世帯を想定。ナチュラルな床・壁紙をベースに、リビングの壁にはレンガ調の壁紙をアクセントクロスに採用。リビングに続く和室は、母親の趣味の部屋として、ミシンを置いたデスクを設置。イケア製家具に合う、畳やふすまもモダンなデザインを採用した。

 1戸当たりの改修費用は原状回復程度で、募集賃料も従来とほぼ変わらない金額設定とする予定。「大きな改修を行なわず、既存の良さを引き出し、付加価値にできるかチャレンジした」(同社団地活性化推進本部団地マネージャー・瀬尾寿幸氏)。賃料は、「左近山団地」が6万3,500円~6万6,300円(共益費3,510円)、「霧が丘グリーンタウン」が10万1,000円~10万4,000円(共益費3,000円)。

 一般向けのモデルルーム公開は年2月15~23日。入居者募集開始は15日から。入居者にはモデルルーム設置のイケア家具・照明の一部をプレゼント。イケア港北店のプランナーによる個別家具プランニングサービスも付与する。

 今回の取り組みについて、同社・住宅経営部長の太田 潤氏は「高齢化が進む団地に、イケアの感性を取り入れた部屋にリメイクすることで、若年層を呼び込むことが狙い」と話す。今後、反響をフィードバックしたうえ、さらなる展開を検討していく。


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