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「取引士」への名称変更で会員の資質向上に期待/全宅連

「宅建取引士」への名称変更による会員の資質向上に期待する伊藤会長

 6月に行なわれた(公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(公社)全国宅地建物取引業保証協会の定時総会で、会長に再任された伊藤 博氏は2日、専門誌・紙記者と会見。今後の事業展開などについて語った。

 伊藤氏は冒頭、「平成26年度路線価においても、三大都市圏を中心に昨年からの回復基調が継続している。今後、消費税率10%への引き上げも含めて軽減措置の導入や各種特例の延長などを政府に要望していきたい」と挨拶。宅建業法の改正成立により宅建主任者が「宅地建物取引士」と名称変更されることに伴い、会員の資質向上や会員の業務支援などを積極的に推し進める考えを示した。

 具体的には、「取引士」への名称変更を機に、倫理規定の制定や、昨年度スタートした独自の研修制度「不動産キャリアパーソン」により、従業員の資質向上を図る考え。「消費者からの信頼を得るために、さらなるレベルアップは当然なされるべきだ。現時点では理想論であり、実現には相当の時間を要すると考えられるが、取引士としての能力は全従業員が身に付けるべきだと個人的には思う」と述べ、会員のレベルアップに期待を込めた。

 キャリアパーソンについては、「基礎的な知識を身に付けるほか、“第2段階”として、より専門的な知識を学んでもらうコースも検討しており、業界全体の利益につなげていきたい。全宅連の会員だけにとどまらず、他団体も含めて幅広い人たちに参加してもらいたい」とした。

 また、業界の新たな課題となっている重要事項説明のIT化に関しては、「賛否両論あるが、これまでのトラブルは重説の理解度不足が原因になっていることが多い。ITを使って簡素化することで、この問題が解消されるかどうかが不安だ。もちろん、ネット利用することによるメリットもあるので、不安視されている問題・課題については、注視していく必要がある」と話した。


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