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業況判断DI、成約賃料大幅減も仕入れ・成約件数は上昇/日管協調査

 (公財)日本賃貸住宅管理協会はこのほど、2014年度上期(14年4~9月)の賃貸住宅市場景況感調査「日管協短観」を発表した。入居率、来店数、成約件数、滞納率など全18項目について、同協会会員へのアンケートをもとに業況判断指数(DI値)を算出。今回は183社から回答を得た。

 14年度上期総合DIは、各項目でやや回復傾向がみられたものの、成約賃料は大幅減。仕入れ(新規管理受託戸数)、成約件数は上昇した。景気の上昇傾向が成約件数等に影響したとみられるが、賃料と一時金は減少傾向にあり、依然として厳しい状況が続いている。

 成約件数DIは、売買は減少なるも賃貸は増加。同調査は消費増税直後の4月からだったこともあり、その影響を比較的受けない賃貸に成約件数の増加が出たと分析している。

 管理物件の仕入れが「増加した」と感じている会員が約6割を占め、特に既存物件の管理の増加が顕著。自主管理から委託管理への移行、相続を目的とした既存物件の有効活用等をその要因に挙げた。

 平均居住期間で顕著な傾向がみられたのはファミリーで、「4年から6年」が大幅に増え、「2年から4年」が減少。引っ越しを控えるファミリーが増えたこと、転勤等の減少により転居が減ったこと等が要因で、同協会は「会員のテナントリテンションの効果が表れていると考えられる」と分析している。

 一時金・家賃保証事業者利用では、家賃債務保証事業者の加入を必須としている割合は約70%と増加傾向に。同協会は「民法改正に伴い、連帯保証人の確保がより困難になることも予想され、さらに上昇傾向に拍車がかかる」と予測している。

 また、「今後、賃貸事業・賃貸経営が良くなるであろう」と回答した会員はわずか2%、「困難になる」と回答した会員は約70%を占め、賃貸業界の現状の厳しさが感じ取れる結果となった。 

 短観詳細は、同協会ホームページ参照。


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