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甲府の中心市街地再開発を始動。14階建て複合ビルを建設/フージャースコーポレーション

再開発により、14階建てビルを建設。2階から上を分譲マンションとして販売する
「地域のため、市民のために必ず事業を成功させたい」などと抱負を語る、フージャースコーポレーションの廣岡哲也会長

 (株)フージャースコーポレーションはこのほど、東京ガス山梨(株)、(株)アクロスと共同で、「甲府銀座ビル」(山梨県甲府市)の建替事業を始動した。

 同ビルは、JR「甲府」駅から続くアーケード街「かすがもーる」に隣接する、1974年築の商業ビル。百貨店やスーパー、行政施設等として利用されてきたが、すべてのテナントが退去した2009年から閉鎖状態となり、再開発のコンサルティング等の実績があるアクロスが13年に競売で入手した。

 同社は住商の複合開発にあたり、地方都市でのマンション開発に注力しているフージャースコーポレーションに事業化を持ちかけ合意。同社に物件を売却した。東京ガス山梨は、隣接地を所有しており、同社に売却し、一体で再開発する。優良建築物等整備事業および防災・省エネまちづくり緊急促進事業として、国と甲府市から補助金も受ける。

 再開発の土地面積は、約2,400平方メートル。地上14階建てのビルを建設する。1階は床面積300平方メートルの商業ゾーン、2~14階はファミリー向け分譲マンション124戸とする。商業ゾーンは建物竣工後、アクロスと東京ガス山梨が買戻し、所有する。12月末から建物解体、15年春に着工し、17年秋完成予定。

 民間主導の再開発ながら、同市や地元商工会等からは、ファミリー定住化促進、雇用・消費・賑わい創出、景観・交流創出など、中心市街地活性化のパイロットプロジェクトとしての位置づけが期待されている。そのため、1階商業施設は、活性化に寄与する新たなビジネスモデルの構築を目指すべく、事業者と地元関係者が参加し「甲府まちづくりラボラトリー」を設置。勉強会やイベント、ワークショップ等を通じてニーズを掘り起し、商業施設の活用法にフィードバックする。また、建物周囲約350平方メートルをオープンスペースやイベント広場として、地域住民や来街者に開放する。

 17日の事業着手記念式典で挨拶したフージャースコーポレーション代表取締役会長の廣岡哲也氏は「当社は東日本大震災後、地方創生の観点から地方都市でのマンション事業に力を入れている。歴史ある甲府の地で事業を手掛けられることに感謝したい。決してやさしい事業ではないが、地域のため、市民のために必ず成功させたい」などと抱負を語った。

 また、来賓として挨拶にたった甲府市長の宮島雅展氏も「銀座ビルの再開発は、行政にとっても地元商店街にとっても、大きな懸案事項だった。それが、民活により実現するのは、誠に喜ばしい。中心市街地活性化の推進役として、大きな期待をかけている」と激励した。


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