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「柏の葉スマートシティ」で街区間電力相互融通が可能に/三井不動産

電力融通のイメージ

 三井不動産(株)はこのほど、「柏の葉スマートシティ」において、日本ガイシ(株)の電力貯蔵用NAS電池システムを設置し、運用を開始したと発表した。

 NAS電池システムとは、日本ガイシが開発した電力貯蔵システムで、大容量・高エネルギー密度、長寿命化が特長。電力負荷の標準化によりピーク時の節電を実現し、エネルギーコストを削減することができる。また、不安定な再生可能エネルギーの出力変動を緩和、安定化させることができるため、環境負荷の低減にも貢献でき、災害・緊急時にも電源として電力を長時間供給できるため、BCPの面でもメリットがある。

 今回設置したシステムは、平常時のピークカットや非常用電源として稼働する機能を備えたもので、定格入力、出力共に1,800kW。定格容量は7.2時間放電で1万2,960kw。

 従来はホテルやオフィス等の「ゲートスクエア」側から商業施設「ららぽーと柏の葉」へ一方的に電力を供給してきた。今回、ららぽーと側にNAS電池を設置したことで、平日の電力需要の高まる「ゲートスクエア」側への供給ができるようになった。一方、休日は商業施設の電力需要が高まるため、「ゲートスクエア」から「ららぽーと」へ供給していく。

 今回のシステム導入により、柏の葉スマートシティの地域レベルで約26%の電力ピークカット効果を見込む。省エネルギー・CO2削減に貢献するとともに、「ゲートスクエア」「ららぽーと」の両施設で電気料金削減等年間約1,000万円の経済的なメリットも期待できる。また、災害等で系統電力が停電した場合には、柏の葉スマートシティに分散設置した発電・蓄電設備の電力を「特定供給」として供給し、まちの防災力を高めていく。


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