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築37年の「新宿野村ビル」に長周期地震動対策/野村不動産、竹中工務店

「デュアルTMD-NT」の屋上設置イメージ

 野村不動産(株)、野村オフィスファンド投資法人、(株)竹中工務店は19日、「新宿野村ビル」(東京都新宿区)に日本初となる制振装置を設置すると発表した。長周期地震動発生時の揺れを大幅に軽減するのが目的。

 「新宿野村ビル」は1978年に竣工した地上53階地下5階建てのオフィスビル。現時点でも十分な耐震性は保持していたが、長周期地震動に対する最先端オフィスに匹敵する制振性能を備えることで、入居テナントや来館者の安全性を高めるため、今回の改修を決断した。1月に着工し、2016年9月に竣工する予定。

 設置する制振装置「デュアルTMD-NT」は、建物の揺れと逆方向に動く重りを使って揺れを制御。建物最上部である52・53階部分に2基設置する。1基の重りを2段積層ゴムとリニアスライダーで支持する構造。こうした装置を長周期地震動における揺れ軽減対策とする改修は日本で初めてだという。装置を設置することで、建物の揺れ時間が半減し、揺れ幅も大幅に低減する見込み。

 なお、野村不動産および竹中工務店は2社共同でデュアルTMD-NTにおける制振装置の構成について特許出願中。


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