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賃貸管理業をテーマにパネルディスカッション/HEAD研究会

パネルディスカッションの様子

 (一社)HEAD研究会不動産マネジメントTFは9日、「不動産管理の価値を考えるpart2~管理ビジネスの持続可能性~」と題し、シンポジウムを「3331 Arts Chiyoda」(東京都千代田区)で開催。約150名が参加した。

 同研究会不動産マネジメントTF委員長の西島 昭氏((株)市萬代表取締役)は冒頭、「賃貸管理は、相続対策、附帯設備、修繕などで注目されているが、もっと管理を掘り下げていった方がよいと感じている。今回は、管理の仕事は非常に面白くなるのでは、ビジネスチャンスがいっぱい転がっているのではないか、という視点でパネラーの話を聞いていただきたい。今後も不動産マネジメントTFでは、不動産業者の地位の向上、不動産業界に関わる人を幸せにしたいという理念を実現していきたい」と挨拶した。

 シンポジウムでは、矢部智仁氏(ハイアス総研主任研究員)をコーディネーターに、乃万春樹氏((株)日本エイジェント取締役ゼネラルマネージャー)、武原麻耶氏((株)Vivid Base代表取締役)、岩崎 祐一郎氏((株)鈴元)、谷 尚子氏((株)ハウスメイトパートナーズ東京支店支店長)がそれぞれの取り組みについて発表。その後、オーナー、違和感、世代交代といったキーワードを基にパネルディスカッションを実施した。

 管理会社にとってオーナーを、「ビジネスパートナー」と並列の関係で考えるという意見が出た一方、「今後オーナーが管理会社を見極める目がさらに大切になる」という点が一致。管理会社内の管理物件に対する温度差を取り上げ、「所詮他人のもの、といった感覚があるのではないか」「オーナーのことをよく知れば行動が変わるのではないか」といった意見が挙がった。

 また、賃貸管理業が楽しいと思う点について「ほかの業種と違って顧客が、オーナーと入居者と2つあるところが面白い」(谷氏)、「物件相談を受けた時、ボロボロの物件を見るとゾクゾクする。費用の掛け方で物件をよくすることができる」(岩崎氏)、「感謝された時が一番。感動を提供すべき側が逆に感動を提供されることがよくある」(乃万氏)、「どうにもならない物件の管理依頼を受け、それを満室もしくは違う使い方ができ、喜ばれた時」(武原氏)などそれぞれが語り、最後に「今までは、供給マーケットが支えてきたが、今後は需要サイドに寄り添った事業がカギを握る時代となるのではないか」(矢部氏)とまとめた。


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