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賃貸住宅のリノベーションデザインで学生向けコンペを開催/ADインベストメント・マネジメント

プレゼンテーションの様子
総評を述べる審査委員長の(株)ブルースタジオ専務取締役の大島芳彦氏

 アドバンス・レジデンス投資法人の資産運用会社である、ADインベストメント・マネジメント(株)は9日、学生向けコンペティション「第1回RESIDIA リノベーションデザイン賃貸住宅環境学生コンペ2014/2015」の公開最終審査を開催した。JREITの投資法人が学生コンペを行なうのは初の試み。

 「都心の水辺を住みこなす」をテーマに、同社の保有する賃貸マンション「レジディア芝浦」(東京都港区、総戸数154戸)内の1住戸を対象に事業計画とリノベーションデザインの提案を募集。入賞作品の中らから、賞の順位を問わず実現性が高い提案について実際のリノベーションに採用する。審査委員長の(株)ブルースタジオ専務取締役の大島芳彦氏をはじめ、ADインベストメント・マネジメント代表取締役社長の髙坂健司氏、(株)プラスニューオフィス代表取締役の瀬戸健似氏、リーシング・マネジメント・コンサルティング(株)代表取締役社長の齊藤晃一氏が審査員を務め、5月の書類選考で応募のあった82組から5組を選出。今回の最終審査では、5組がそれぞれ住宅模型などを活用し自由にプレゼンテーションを実施。最優秀賞1点、優秀賞1点、アイディア賞3点の選考を行なった。

 最優秀賞には、京都工芸繊維大学工芸科学部の山口 昇さんの「時間のミルフィーユ」が入賞。成長とともに変化する子供の視線や空間の認識に注目し、間仕切りに工夫を凝らしたという点が、手法がシンプルでありながら革新性があるとして評価された。大島氏は「審査は、事業の実現可能性、デザイン性、革新性、汎用性への期待という観点で行なった。事業計画の提案までしなくてはいけなかったので、高いハードルであったと思うが想像以上の出来だった」などと総評を述べた。

 髙坂氏は、「築年数のたった賃貸住宅に手を加えようとすると、どうしてもスタンダードなものになってしまうのが課題であった。保有物件2万戸を超えたこともあり、学生のアイディアを吸収し、固定観念の変化を促したいと企画した。また、これが入口となって学生がREITに興味をもってもらえれば、業界の底上げと活性化が図れるのではないか。今後も引き続き、別の物件でも実施していきたい」とコメントした。


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