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都市事業は「グレーター渋谷」に集中投資。ウェルネス、海外も注力/東急不・植村新社長が抱負

「渋谷はまだまだ開発余地がある。渋谷といえば東急のイメージを崩さないよう、積極的に開発に関与していく」語る植村社長

 今年4月、東急不動産(株)の社長に就任した植村 仁氏が29日記者会見し、今後の事業方針などについて語った。

 会見で植村氏は「オフィス、住宅、リゾートなど当社の事業領域は全体として好調。マンション用地や投資用物件の取得環境は厳しいが、今はあせって勝負に出る時期ではない。2020年にかけ、渋谷の再開発、銀座の商業施設、竹芝の再開発などイベントが続く。ポートフォリオの中身を慎重に見直しながら、必要があればREITへの組み入れも行ない、永続的成長を目指していく」と抱負を語った。

 主力の都市事業(ビル)については、東急プラザ跡地や旧本社ビル跡地の再開発など3つの事業を進める渋谷をはじめ、原宿、青山などの「広域渋谷圏(グレーター渋谷)」に集中していく。「渋谷はまだまだ開発余地がある。“渋谷といえば東急”というイメージを崩さないよう、エリア内の案件に積極的に関与していく。これからのまちづくりはタウンマネジメントが重要。IT系や先端企業を育成するまちづくりを目指していく」(植村氏)。また、来春開業の銀座の商業施設は、すでに9割のテナントが決定していることを明らかにした。

 住宅事業は、マンション年間供給戸数3,000戸を目指す。「向こう3年間分の仕入れは完了している。これまで当社は郊外型マンションが多かったが、今後は都心部の物件に集中していく。息の長い再開発案件も増やしていきたい。仕入れ価格は上昇基調だが、合理的説明がつかないほどではないし、金利も低く余力はある」(同氏)。

 その他事業については「ウェルネス(シニア・会員制リゾート・都市型ホテルなど)」と海外事業を成長事業として挙げる。「シニア住宅は、現在1,000戸を展開している。人材育成が課題だが、年間1割の積み増しを狙う。複合再開発のメニューとして、自治体からの要請も多い。都市型ホテルやリゾートはインバウンドニーズも期待できる。とくにニセコは海外客の人気が高く、開発用地もあるのでインバウンド向け施設が作れないか検討している。海外事業はインドネシアとアメリカが中心となる。インドネシアは40年にわたり手掛けており市場を熟知している。開発用地も数多く保有しており、着実に事業化を進める」(同氏)。


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